【何回もトイレに行って下痢をする】犬猫の大腸性下痢とは?

「またトイレ?」―何度も踏ん張るのは病気のサインかも

犬や猫がトイレに何度も行く、でも出る量は少しだけ。それなのに何度も踏ん張るような仕草を繰り返す…。
そんな様子を見て「便秘?」と思われる飼い主さんも多いかもしれませんが、実はこのような症状、「大腸性下痢」の可能性があります。

この記事では、大腸性下痢と小腸性下痢の違い、よくある原因、受診の目安、治療方法について、犬猫共通の視点で解説します。


大腸性下痢とは?小腸性下痢との違い

◆ 小腸性下痢との違いを知ろう

下痢には大きく分けて「小腸性」と「大腸性」の2種類があります。
以下の表にそれぞれの特徴をまとめました。

特徴小腸性下痢大腸性下痢
回数普通〜やや多いとても多い(頻回)
便の量多め少量ずつ
粘液少ないよく見られる
血液黒色便(タール状)鮮血が混じることあり
吐き気伴うことがあるあまりない
体重減少起こりやすい少ないことが多い
痛み・いきみ少ない排便時に踏ん張る(しぶり)

◆ 大腸性下痢の特徴

  • 少量の下痢を頻繁にする
  • ゼリー状の粘液便が混じる
  • 排便後にまた踏ん張る
  • 便に血が混じる(鮮血)
  • 体重減少はあまり見られない

大腸性下痢のよくある原因

犬や猫が大腸性下痢を起こす原因は多岐にわたります。ここでは代表的なものを紹介します。

◆ 急性の大腸性下痢

  • 特発性(ストレス:環境の変化、旅行、ペットホテルなど)
  • 食事性(急なフード変更、ゴミあさり)
  • 細菌感染(大腸菌、カンピロバクターなど)
  • 寄生虫感染(ジアルジア、トリコモナス、コクシジウムなど)
  • 薬剤性(抗生物質などによる腸内環境の乱れ)

◆ 慢性の大腸性下痢

  • 慢性腸症(IBD=炎症性腸疾患)
  • 大腸ポリープや腫瘍
  • 異物による大腸刺激
  • アレルギー性腸炎(フードアレルギー)
  • 抗生物質反応性下痢(特に猫)

受診の目安|こんな症状があれば要注意!

以下のような場合は、自己判断せず動物病院を受診しましょう。

  • 下痢が3日以上続く
  • 便に血や粘液が頻繁に混じる
  • 排便のたびに苦しそうに踏ん張る
  • 元気や食欲が落ちている
  • 子犬・子猫、高齢動物での下痢

診断と治療の流れ

◆ 診断方法

  • 便検査:寄生虫や異常な細菌バランスをチェック
  • 血液検査:全身状態、慢性炎症の有無を確認
  • 画像診断(レントゲン・超音波):腫瘍や異物の有無を確認
  • 食事療法の反応をみる:除去食試験や加水分解食の使用
  • 必要に応じて内視鏡検査や生検を実施

◆ 治療法

  • 原因に応じて駆虫薬・抗菌薬・整腸剤の使用
  • 炎症性腸疾患に対しては食事療法や免疫抑制剤
  • ストレスが要因なら環境調整やサプリメント
  • 腫瘍がある場合は手術や化学療法を検討

飼い主さんができるケアと予防法

  • 急なフード変更を避ける(少なくとも5~7日かけて切り替え
  • 拾い食いをさせないように管理する
  • 定期的に便の状態をチェックする習慣を
  • ストレスの少ない生活環境を整える
  • 定期的な駆虫・健診・便検査を行う

まとめ:大腸性下痢は「踏ん張りサイン」に注目!

  • 何度も排便しようとするのに少ししか出ない、これは「大腸性下痢」の典型的なサイン。
  • 原因は感染・食事・慢性疾患・ストレスなどさまざま。
  • 下痢が続く場合や血便が見られるときは、早めの受診を。
  • 適切な検査と治療で改善が期待できます。

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