犬の認知症(認知機能不全症候群)|シニア犬の変化に気づいていますか?

「最近、夜に吠えるようになった」
「名前を呼んでも反応しない」
「部屋の隅でぼーっとしている」

それ、もしかすると「犬の認知症」かもしれません。

犬も高齢になると、脳の老化によって認知機能が低下することがあり、これを「認知機能不全症候群」と呼びます。

今回は、見逃されがちな犬の認知症の初期サインと、進行を遅らせるための対策について解説します。


犬の認知症とは?

犬の認知症(認知機能不全症候群)は、加齢に伴う脳の変性によって、記憶や学習能力、社会的な行動が変化する疾患です。

発症年齢はおおむね11歳以降の高齢犬に多く、人間のアルツハイマー病と似た症状が見られることがあります。


認知症の主な症状(こんな変化に注意!)

犬の認知症は、ゆっくりと進行するため、最初は「年のせい」と見過ごされがちです。以下のような症状に気づいたら、早めの相談が大切です。

昼夜逆転

  • 昼間によく寝て、夜に起きて歩き回る
  • 夜中に吠える、落ち着きがない

飼い主の睡眠を妨げる行動になることもあり、生活に支障が出てきます。


家の中で迷子になる

  • よく知っているはずの部屋で立ち止まる
  • 角や家具の隙間に入り込んで出られなくなる

方向感覚や空間認識の低下が背景にあります。


呼びかけに反応しない・性格が変わった

  • 名前を呼んでも無反応
  • 以前より怒りっぽくなった
  • 甘えてこなくなった

社会的な関係性の変化や認知機能の低下が考えられます。耳が遠くなっただけではないかもしれません。


認知症の進行を遅らせるには?

犬の認知症は完治するものではありませんが、進行を遅らせることは可能です。

以下のような対策を組み合わせることで、愛犬の生活の質(QOL)を保つことができます。


食事療法・サプリメント

  • DHAやEPA、抗酸化物質、MCT(中鎖脂肪酸)などを含むフード
  • 認知機能をサポートするサプリメントも市販されています

脳への刺激を増やす

  • パズル型のおもちゃで頭を使わせる
  • 散歩コースを変えて刺激を与える
  • 積極的に話しかけたりアイコンタクトをとる

脳の働きを保つ刺激を日常に取り入れることが大切です。


定期的な健康診断

  • 認知症と間違えやすい病気(脳腫瘍、感覚器の異常、内分泌疾患など)もあるため、他の疾患との鑑別が必要です。
  • 特に、高齢犬では複数の病気が重なっているケースも少なくありません。

まとめ|「年のせい」で片づけず、気づいたら相談を

犬の認知症は、早期に気づいてあげることで、愛犬の毎日をより快適に過ごさせてあげることができます。

以下のような変化が見られたら、ぜひ一度、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

  • 夜に徘徊したり吠えるようになった
  • 呼んでも反応しなくなった
  • 性格が変わった・トイレの失敗が増えた

「もう歳だから仕方ない」ではなく、「何かできることはあるかも」という視点で見守ってあげてくださいね。

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