犬の歯周病と口腔内腫瘍の関係とは?早期発見がカギ!

はじめに

「うちの子、最近口の中を気にしてる…」「歯ぐきが腫れてる気がする…」
そんな変化、実は歯周病だけでなく、口腔内腫瘍(こうくうないしゅよう)のサインかもしれません。近年、歯周病と口腔内腫瘍との関係が注目されています。今回はその理由と、飼い主さんができる予防・早期発見のポイントをわかりやすく解説します。

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犬に多い口腔内の病気とは?

犬の口腔内でよく見られる病気には以下があります。

  • 歯周病(最も多い)
  • 口腔内腫瘍(がんや良性腫瘍)
  • 口内炎
  • 外傷(ケガ) など

歯周病は放置すると歯の周囲組織が破壊され、炎症が慢性化します。一方、口腔内腫瘍は歯ぐきや舌、頬粘膜、顎の骨などにできるしこりや腫れのこと。悪性黒色腫(メラノーマ)、扁平上皮癌、線維肉腫などが代表的です。


歯周病と口腔内腫瘍はどう関係する?

1. 慢性的な炎症が腫瘍のリスクを高める

長期間続く歯周病の炎症は、細胞のDNA損傷を誘発し、異常増殖=腫瘍化の原因になることがあります。
これは人の口腔がんでも示唆されており、犬でも同様のリスクが考えられます。

2. 腫瘍が「歯周病のふり」をすることも

実は歯周病と思っていたら腫瘍だったというケースも珍しくありません。特に以下の場合は要注意です。

  • 歯石除去後も歯ぐきの腫れが引かない
  • 出血や痛みが強い
  • 片側だけ異常に腫れている
  • しこりのような硬い部分がある

3. 腫瘍の周囲に歯周病が併発しやすい

腫瘍のある部位は口内の自浄作用が低下し、歯周病菌が増殖しやすくなります。そのため腫瘍+重度の歯周病という組み合わせも珍しくありません。


どんな腫瘍に注意すべき?

腫瘍名特徴好発犬種
悪性黒色腫(メラノーマ)口内で最も多い悪性腫瘍。進行が早いミニチュア・ダックス、プードル、ミニチュア・シュナウザー
扁平上皮癌口腔内の表面粘膜から発生ゴールデン・レトリバー
線維肉腫歯ぐきや顎の骨に発生しやすい大型犬

こんな症状は早めに動物病院へ!

  • 口臭の悪化
  • 片側だけの歯ぐきの腫れ
  • 硬いしこり
  • 出血が止まらない
  • 食欲低下、食べづらそう
  • よだれが増えた

これらの症状がある場合、歯周病と腫瘍の両方の可能性があるため、早めの診察がおすすめです。


飼い主さんができる予防・早期発見ポイント

1. 毎日の歯みがき+お口チェック

歯みがき時に「歯ぐきの色・腫れ・しこり」を必ずチェックしましょう。

2. 年1~2回の歯科健診

スケーリングだけでなく、口腔内全体の診察を受けることで早期発見が可能です。

3. 「いつもと違う」変化を見逃さない

歯石除去後でも腫れが続く場合や片側だけ異常がある場合は再診を。


まとめ

犬の歯周病と口腔内腫瘍は「無関係」とは言い切れません。慢性炎症が腫瘍のリスクを高める可能性もあり、また腫瘍が歯周病と似た症状を見せることも。大切な愛犬の健康を守るためには、日頃のケアと定期検診が何よりの予防となります。
「ちょっとおかしいな」と感じたら、早めにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。

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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。