“ただの毛玉吐き”じゃないかも?猫の慢性消化器トラブルに潜む代表的な6つの原因
猫が吐く姿を見ると、「毛玉かな?」「よくあることだし…」と思ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか?
けれど、吐き気や下痢が何日も続いたり、体重が減ってきたりしているときは、ただの毛玉ではなく“慢性的な消化器の病気”が隠れている可能性があります。
この記事では、猫によく見られる6つの慢性消化器疾患と、それぞれの特徴についてわかりやすく解説します。
① 慢性腸症(Chronic Enteropathy)
長く続く下痢や嘔吐の背景に多いのが「慢性腸症」です。腸の炎症や免疫バランスの乱れが原因で、特定の食事やお薬によって症状が変化します。
- 主な症状:下痢、嘔吐、体重減少、食欲のムラ
- 治療:低アレルゲンフードへの変更、整腸剤、ステロイドなど
早期の段階では、食事を変えるだけで良くなるケースも多くあります。
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② 寄生虫感染(ジアルジア、トリコモナスなど)
猫の便がゆるくて治らないとき、意外と多いのが寄生虫の感染です。とくに保護猫や子猫、多頭飼いのお家では注意が必要です。
- 主な症状:水っぽい下痢、悪臭、体重が増えない
- 治療:便検査と駆虫薬で完治を目指します
「見た目は元気だけど便だけおかしい」場合でも、寄生虫が原因のことがあります。
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③ 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
高齢猫に増えているホルモンの病気で、代謝が異常に高まり胃腸に負担がかかることがあります。
- 主な症状:よく食べるのに痩せてきた、嘔吐や下痢、多飲多尿
- 治療:内服薬やヨウ素療法でホルモンをコントロール
病気が進むと心臓や腎臓に負担がかかるため、早めの診断・治療が大切です。
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④ 慢性腎不全(腎臓の老化による病気)
シニア猫の代表的な病気のひとつです。腎臓の働きが落ちると、体に毒素がたまり胃腸に悪影響を及ぼします。
- 主な症状:食欲が落ちた、吐く、口臭がきつい、やせてきた
- 治療:点滴、腎臓用フード、必要に応じて薬やサプリの併用
気づきにくい病気ですが、早期発見で寿命を延ばすことが可能です。
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⑤ 膵外分泌不全(すいがいぶんぴふぜん)
膵臓が「消化酵素」を作れなくなり、食べたものが消化できなくなる病気です。あまり知られていませんが、慢性の下痢や体重減少の原因として見逃されがちです。
- 主な症状:食べても太らない、大量の軟便、便に脂が混ざる
- 治療:消化酵素を食事に混ぜて補います
猫ではやや稀ですが、体重が急に落ちた場合には要注意です。
⑥ 消化管の腫瘍(とくにリンパ腫)
高齢猫で多いのが胃腸の腫瘍(しゅよう)です。なかでも「リンパ腫」は、炎症性の腸疾患(IBD)と症状が似ているため、しっかり検査しないと区別がつきにくいことも。
- 主な症状:食欲低下、嘔吐、下痢、急なやせ
- 治療:抗がん剤やステロイド、栄養管理
進行する前に発見できれば、治療の選択肢も増えます。
まとめ|「いつものこと」と思わず、動物病院へ
猫の吐き戻しや下痢は、毛玉やストレスなど一時的な原因もありますが、症状が何日も続いたり、繰り返したりする場合は病気のサインかもしれません。
早めの受診で、回復が早くなる病気もたくさんあります。
「いつもとちょっと違うかも?」という直感を大切に、ぜひ一度、動物病院にご相談ください。
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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで消化器疾患でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。