犬猫の「異常そうで正常なこともある」行動まとめ|慌てず観察、でも油断は禁物
はじめに
犬や猫と暮らしていると、「なんだか苦しそう」「変な動きをしている」と不安になる瞬間があります。
もちろん、病気のサインであることもありますが、中には生理的な反応や一時的な要因で起こる“見た目は異常そうでも健康な場合がある行動”もあります。
今回は、そんな誤解しやすい犬猫の行動や仕草を紹介しながら、正常と異常を見分けるポイント、動物病院に相談すべきタイミングについて解説します。
1. 犬の「祈りのポーズ」=必ずしも膵炎ではない
前足を伸ばして胸を下げ、お尻を上げる姿勢は「祈りのポーズ」と呼ばれます。膵炎や腹痛で見られることがあり、「病気のサイン」としてネットでもよく紹介されます。
しかし、犬は遊びに誘うときやストレッチをするときにもこの姿勢をとります。
- 正常な場合:尻尾を振る、目がキラキラ、動きが機敏
- 注意が必要な場合:下痢や嘔吐など複数の消化器症状が見られる
2. 猫の「開口呼吸」=運動や興奮でも起こる
猫が口を開けて呼吸するのは、心臓病や呼吸器疾患などの深刻な病気を疑うサインですが、激しい運動直後や強いストレス時にも一時的に見られることがあります。
- 正常な場合:休むとすぐに呼吸が整う、再発しない
- 注意が必要な場合:安静時にも口呼吸、お腹が動くような頻呼吸、舌や歯茎が紫色、ぐったりしている
3. 白い泡を吐く=空腹性嘔吐のことも
犬や猫が朝方に白い泡状の吐物を出すと「胃炎かも?」と心配になりますが、空腹時に胃酸が逆流して吐き出す“空腹性嘔吐”のこともあります。
- 正常な場合:吐いた後は元気、食欲がある、明け方に決まって吐く
- 注意が必要な場合:頻繁に吐く、食欲不振、下痢を伴う、血が混じる
4. 猫の「しゃっくりのような動き」=毛玉や軽い刺激の可能性
猫が小刻みにお腹や喉を動かす仕草は、呼吸器や心臓の病気を疑うことがありますが、毛玉を吐こうとしているだけや喉に軽く毛が引っかかっただけの場合もあります。
- 正常な場合:数回で治まり、その後普通に過ごす
- 注意が必要な場合:頻繁に繰り返す、呼吸が苦しそう、元気がない
5. 犬の「抱っこ時にキャンと鳴く」=驚きや敏感な部位への圧迫でも
犬や猫を抱き上げた瞬間、「キャン!」と高い声を出すことがあります。
これを聞くと「背中や足が痛いのでは?」と心配になりますが、急に持ち上げられて驚いた場合や、体の敏感な部分を押してしまった場合もあります。
特に犬は前足の付け根(脇のあたり)がデリケートで、この部分を急に持つと嫌がったり声を上げることがあります。抱き上げるときは、後ろから両手で胸とお尻を支えるようにしてあげると安心です。
- 正常な場合:その後は普通に歩き、遊び、食欲もある
- 注意が必要な場合:再現性がある、歩き方がおかしい、触ると嫌がる、元気がない
6. 犬猫の「逆くしゃみ」=苦しそうでも一過性のことが多い
犬や猫が鼻をすするような音を繰り返し、首を前に伸ばして口を閉じたまま「フガフガ」と吸い込む動作をすることがあります。これが逆くしゃみ(リバーススニーズ)です。
アレルギー反応や鼻咽頭の軽い刺激(ほこり、花粉、香料)やご飯が鼻の裏に入ったタイミングで起こり、数秒〜数十秒で自然に治まるのが特徴です。
- 正常な場合:フガフガ後はケロッとしている、頻度が低い、食後や水を飲んだ後に起こる
- 注意が必要な場合:1日に何度も繰り返す、呼吸困難を伴う、失神する
まとめ
犬猫の行動や仕草は、必ずしも病気のサインではありません。
とはいえ、「繰り返す」「元気や食欲がない」「呼吸や歩行が明らかにおかしい」場合は早めの受診が安心です。
日頃からペットの様子を観察し、普段との違いを把握しておくことで、不要な不安を減らしつつ、必要な時には素早く対応できます。
LINE友だち追加で診察予約・最新情報がチェックできます!!

茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。