フードは開封後どれくらいもつ?嗜好性と保存のポイントを解説

愛犬・愛猫の健康を守るうえで欠かせないのが毎日のごはん。中でも総合栄養食は栄養バランスが整っている便利な食事ですが、「開封後はどれくらいもつの?」「風味が落ちると食べなくなるのでは?」と気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は、犬の嗜好性の判断基準開封後の保存方法酸化によるリスクについて解説します。


犬の嗜好性とは?食べる・食べないの判断基準

犬の「嗜好性」とは、そのフードをどれくらい好んで食べるかを示すものです。人間の「好き嫌い」に近い感覚で、以下の要素が影響します。

  • 香り:犬は嗅覚が鋭く、香りが強いフードを好む傾向があります。
  • 風味:原材料や調理法によっても食いつきが変わります。
  • 食感:粒の大きさや硬さが犬の好みを左右します。

もし食欲が落ちている場合は病気のサインの可能性もありますが、フード自体の風味が落ちて嗜好性が低下しているケースも少なくありません。


フードは開封後1ヶ月以内に食べ切ろう

フードは未開封なら長期間保存できますが、開封後は空気に触れることで酸化が始まり、劣化が進みます
そのため、開封後はできるだけ速やかに、1ヶ月以内に食べ切ることが推奨されています。

保存の工夫

  • ジッパー付きの袋をしっかり閉じる
  • 密閉容器に移し替える
  • 高温多湿や直射日光を避け、涼しい場所に保管する

さらに、1ヶ月で食べ切れるサイズのフードを購入することも大切です。大袋はお得に見えても、食べ切るまでに時間がかかれば酸化が進み、かえって無駄になる可能性があります。


酸化脂質の危険性とは?

フードには脂肪が含まれており、酸素に触れると酸化して「酸化脂質」に変わります。
酸化脂質は風味を損なうだけでなく、これを長期間摂り続けると、犬の体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

1. 消化器への悪影響

下痢や嘔吐、食欲不振など、胃腸のトラブルを引き起こすことがあります。

2. 肝臓や腎臓への負担

酸化脂質は肝臓で代謝されるため、長期的には肝機能に負担をかけ、解毒能力の低下を招く恐れがあります。

3. 老化や免疫力低下の促進

細胞の酸化ストレスを高めることで、老化を早めたり、免疫力を弱めたりするリスクもあります。

つまり、酸化脂質は「味が落ちる」だけでなく、愛犬の健康そのものに悪影響を及ぼす可能性があるのです。
実際に、健康診断で肝臓の数値が高めだった子でも、食事管理を徹底するだけで数値が改善するケースがあります。


風味が落ちると食べなくなることも

嗜好性の高いフードでも、風味が落ちてしまうと食べなくなることがあります。
「急にフードを食べなくなった」という場合、病気ではなくフードの酸化や劣化が原因のことも少なくありません。

フードを買うときには、「お得さ」よりも「鮮度」を優先することが愛犬の健康につながります。


まとめ

  • 犬は香りや風味で嗜好性を判断する
  • フードは開封後1ヶ月以内に食べ切るのが理想
  • 酸化脂質は犬の健康に悪影響を及ぼす可能性がある
  • 食べ残しを減らすため、1ヶ月で消費できる量を購入するのがベスト

毎日の食事は愛犬の健康を支える大切な要素です。フードの保存や購入量を見直し、愛犬にいつでも新鮮でおいしいごはんを提供してあげましょう。

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