猫が水をたくさん飲むときに考えられる原因と受診の目安
「最近、猫が水をたくさん飲むようになった…」と気づいたことはありませんか?
猫はもともと水をあまり飲まない動物といわれています。そのため、飲水量が急に増えると飼い主さんにとって心配なサインとなります。この記事では、猫が水をたくさん飲む原因や考えられる病気、受診の目安について解説します。
猫の正常な飲水量の目安
まずは「どのくらい飲めば異常なのか」を知っておきましょう。
- 健康な猫の1日の飲水量は、体重1kgあたり40〜50ml程度といわれています。
(例)体重4kgの猫なら1日160〜200ml前後 - 一方で明らかな多飲の場合、体重1kgあたり100ml程度まで増えます。
(例)体重4kgの猫なら、500mlペットボトル1本程度
毎日お皿に入れた水の量をチェックしておくと、変化に気づきやすくなります。
猫が水をたくさん飲む原因とは?
1. 腎臓の病気(慢性腎臓病など)
猫で最も多い原因の一つが慢性腎臓病です。腎臓の働きが落ちると尿を濃縮できなくなり、大量の尿が出てしまいます。その結果、体が水分不足を補おうとして水をたくさん飲むようになります。高齢猫に多い病気です。
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2. 糖尿病
血糖値が高くなることで尿に糖が漏れ出し、大量の尿が作られます。その分水を欲しがるようになります。食欲旺盛なのに体重が減る、よく吐くといった症状も併発することがあります。
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3. 甲状腺機能亢進症
特に中高齢の猫に多く見られる病気で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が上がり、水をたくさん飲むようになります。同時に落ち着きがなくなる、体重減少、毛づやが悪くなるなどの変化も見られます。
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4. 尿路の異常
膀胱炎や尿石症でも、水を飲む量が増えることがあります。尿が近い、血が混じる、トイレに何度も行くといった症状を伴う場合は注意が必要です。
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5. その他の要因
- 高温環境や運動後による一時的な飲水増加
- 塩分の多い食事やおやつの影響
- 投薬中の薬(ステロイドなど)の副作用
自宅でできるチェックポイント
猫が水をたくさん飲むと感じたら、次の点を確認してみましょう。
- 1日の飲水量を測って記録する
- 尿の回数や量の変化を観察する
- 体重の減少や食欲の変化がないか確認する
- 元気さ、毛づや、呼吸の状態などもあわせて観察する
これらの情報は動物病院で診察を受ける際に大変役立ちます。
動物病院を受診すべき目安
次のような症状がある場合は、できるだけ早めに受診しましょう。
- 1日あたりの飲水量が体重1kgあたり50mlを大きく超えている
- 水を飲む量が増えたと同時に、尿の量や回数も明らかに増えている
- 体重が減ってきている
- 食欲が落ちている、あるいは食べているのに痩せてきている
- 嘔吐や下痢などの消化器症状が続いている
血液検査や尿検査、画像検査などによって原因を特定し、適切な治療につなげることができます。
まとめ
猫が水をたくさん飲む原因には、慢性腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症・尿路疾患など、命に関わる病気が隠れていることがあります。
「暑いだけかな?」と様子を見てしまうのではなく、普段の飲水量を把握し、異常があれば早めに動物病院を受診することが大切です。
飼い主さんの早い気づきが、猫の健康と長生きを守る第一歩となります。
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