犬の膵炎は再発しやすい?予防のための食事と生活管理

はじめに

「一度膵炎になったけれど、もう治ったから安心…」
そう思っていませんか?
実は、犬の膵炎は再発しやすい病気のひとつです。
急性の膵炎を乗り越えても、生活習慣や食事管理が不十分だと、何度も炎症を繰り返してしまうことがあります。

この記事では、犬の膵炎が再発する理由と、再発予防のために飼い主さんができる食事・生活管理のポイントをわかりやすく解説します。


犬の膵炎とは?再発が多い理由

膵炎とは、膵臓(すいぞう)に炎症が起こる病気です。
膵臓は食べ物の消化を助ける酵素を分泌していますが、何らかの原因でその酵素が膵臓内で活性化してしまうと、自分の組織を“自己消化”し、強い炎症や痛みを引き起こします。

再発しやすい理由

  1. 膵臓が一度ダメージを受けると回復に時間がかかる
     → 機能が完全には戻らず、再び炎症を起こしやすくなります。
  2. 脂肪分の摂りすぎ・食事の急変
     → 消化負担が増え、再発の引き金になります。
  3. 肥満や内分泌疾患(クッシング症候群、糖尿病)
     → 脂質代謝の異常や血流障害により、膵臓に負担がかかります。

つまり、「治った後の管理」がとても大切な病気なのです。


膵炎の再発を防ぐ食事管理のポイント

① 脂肪を控えめにする

膵炎の最大の敵は高脂肪食です。
脂肪は膵液分泌を強く刺激するため、炎症を再燃させる要因になります。

ポイント

  • 動物性脂肪(牛・豚・鶏皮など)を避ける
  • 市販おやつは「低脂肪」「消化器サポート」などを選ぶ
  • テーブルの残り物(揚げ物・チーズ・肉汁など)は絶対NG

療法食の中には「膵炎・脂質制限専用フード」があります。
獣医師の指導のもと、長期的に継続できる食事内容を選ぶことが重要です。


② 食事量は少量ずつ・回数を分けて

1回の食事で膵臓にかかる負担を減らすため、
1日2〜3回に分けて与えるのがおすすめです。
急に多く食べると消化酵素が大量に分泌され、再発リスクが上がります。


③ 消化しやすいフードを選ぶ

膵臓にやさしい食事は、消化吸収に優れていることが大切です。

  • 高品質なたんぱく質(加水分解や低分子化)
  • 適度な炭水化物
  • 脂質は必要最低限

また、ドライフードをふやかしたり、ウェットタイプを利用するのもおすすめです。
お腹の調子を見ながら、徐々に慣らしていきましょう。


再発を防ぐ生活管理のポイント

① 体重を適正に保つ

肥満は膵炎再発の大きなリスク因子です。
定期的に体重を測り、理想体重の±5%以内をキープできるようにしましょう。
散歩や軽い運動も無理のない範囲で続けることが大切です。


② おやつ・間食のルールを決める

脂肪分が多いおやつや人間の食べ物は、少量でも炎症を悪化させることがあります。
「与える種類と量」を家族全員で共有しておきましょう。


③ 定期的な健康チェック

膵炎の再発は、血液検査で早期に見つかることもあります。
定期的に画像検査や血液検査を受けることで、症状が出る前に異常を察知できることがあります。

また、慢性膵炎の場合は、消化酵素の補充や肝胆系サポートが必要になることも。
獣医師の指導のもとで定期的なモニタリングを続けましょう。


こんな症状が見られたら要注意!

再発を疑うサインは次の通りです。

  • 食欲がない・元気がない
  • 食後に吐く(特に脂っこい物の後)
  • 下痢や軟便が続く
  • お腹を痛がる、丸まって動かない
  • 黄疸(白目が黄色い)

これらの症状が見られたら、早めに動物病院を受診してください。
再発した膵炎は、放置すると重症化しやすい傾向があります。


まとめ:膵炎の再発予防は「毎日の積み重ね」

犬の膵炎は一度治っても再発しやすく、日々の食事と生活管理が最大の予防策です。
脂肪分を控え、適切な体重を維持し、定期的に検査を受けることで、
愛犬の膵臓を長く健康に保つことができます。

もし食欲不振や嘔吐などの症状が見られた場合は、
「様子を見る」よりも早めの受診を心がけましょう。

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