嘔吐は危険なサイン?原因と対処法を知ろう

愛犬・愛猫が突然ごはんを吐いてしまうと、飼い主さんはとても心配になりますよね。

しかし、一口に「吐く」といっても、その原因はさまざまです。単なる食べすぎや胃の不調で済む場合もあれば、重大な病気のサインであることもあります。

今回は嘔吐の原因や見極め方、対処法について解説します。

嘔吐と吐出の違いとは?

「吐く」と一言で表現しても、嘔吐吐出という2つの異なる現象があります。

嘔吐(おうと)

• 胃や腸などの消化管が痙攣し、強い力で内容物を吐き出す。

• 吐く前によだれ・不安・吐き気・腹部の収縮などの予兆が見られる。

• 吐物は消化されたフードや胃液が混じっている。

吐出(としゅつ)

• 食道内にあるものが収縮なしでそのまま口から逆流する。

予兆がなく突然吐き出すのが特徴。

• 吐物は未消化のフードが多い。

嘔吐と吐出では原因となる病気が異なるため、見分けることが診断の大きなヒントになります。

嘔吐の原因は?

嘔吐は急性嘔吐慢性嘔吐に分けられ、原因も多岐にわたります。

1. 急性嘔吐(突然吐く)

急性嘔吐は比較的短期間(24~48時間以内)で起こる嘔吐です。

主な原因

  • 食べすぎ・早食い:胃が消化しきれず嘔吐する。
  • 空腹:胃が空の状態が続く事で胃液や泡を嘔吐する。
  • 異物誤飲:おもちゃや布、植物などが胃や腸に詰まる。
  • 食事の変化:新しいフードが体質に合わない。
  • 感染症:パルボウイルス、細菌性胃腸炎など。
  • 中毒:チョコレート、玉ねぎ、キシリトール、植物など。

急性嘔吐の場合の注意ポイント

• 吐いても元気・食欲があり、水分も取れている場合は様子見可。

何度も吐く・ぐったりしている・血が混じる場合は早急に受診。

2. 慢性嘔吐(何日も繰り返し吐く)

慢性嘔吐は長期間(数週間~数か月)にわたり断続的に続く嘔吐です。

主な原因

慢性腸炎・消化器疾患:慢性腸炎、胃腸の炎症、膵炎、腫瘍など。

内分泌疾患:甲状腺機能亢進症(猫)、副腎皮質機能亢進症(犬)など。

腎疾患・肝疾患:老齢動物で多い。

食物アレルギー:特定のフードに対するアレルギー反応。

慢性嘔吐の場合、食欲低下や体重減少などの全身症状を伴うことが多いため、早めの診断が重要です。

こんな嘔吐は要注意!

以下の症状がある場合は、重大な病気の可能性があります。早めの受診をおすすめします。

頻繁に吐く(1日に間を空けて何度も)

吐物に濃い血が混じる(コーヒー色)

異物を誤飲した可能性がある

ぐったりしている、食欲がない

下痢や発熱、腹痛を伴う

特に、子犬・子猫やシニアペットは体力が落ちやすいため注意が必要です。

家庭での応急処置と受診の目安

1. 絶食・絶水の判断

嘔吐が1~2回で元気がある場合

→ 半日~1日程度の絶食(子犬・子猫は数時間)

→ 水は少量ずつ与える。

何度も吐く、ぐったりしている場合

→ 絶食・絶水はせず、すぐに動物病院へ。

2. 受診までにやるべきこと

吐物の写真を撮る(色・量・混ざっているもの)

いつから、どのくらいの頻度で吐いたかを記録

• 誤飲の可能性があれば誤飲したものを持参

診断・治療の流れ

嘔吐の原因を特定し、適切な治療を行うために以下の診断を行います。

1. 身体検査:腹部触診、脱水や発熱の有無を確認

2. 血液検査:臓器機能や電解質バランスを評価

3. レントゲン・超音波検査:異物、腫瘍、腸閉塞の有無を確認

4. 内視鏡検査(必要に応じて):消化管内を直接観察

治療方法

異物誤飲 → 催吐処置や内視鏡・手術による摘出

急性胃炎 → 脱水補正、制吐剤、胃粘膜保護剤

慢性疾患 → フード管理、薬物療法、腸内環境改善

まとめ

嘔吐は比較的よく見られる症状ですが、原因や嘔吐のタイプによって対処法が異なるため、適切な見極めが重要です。

急性嘔吐でも異常が続けば病院へ

嘔吐と吐出の違いを観察

慢性的な嘔吐は早めの診断が大切

茅ヶ崎市・藤沢市エリアで嘔吐に関してお困りのことがあれば、湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までご相談ください。