【トイレの回数が多い・少ない】犬猫の排尿異常に隠れた病気とは?

「最近トイレの回数が多い気がする」「逆に、あまりおしっこしていないかも?」
そんな変化に気づいたら、それは体からの重要なサインかもしれません。
排尿の異常は、腎臓・膀胱・尿道だけでなく、ホルモンの異常や代謝疾患など、全身の病気の兆候であることもあります。

今回は、犬猫の「排尿回数が多い・少ない」ときに疑われる代表的な病気について解説します。


排尿異常にはどんな種類がある?

排尿の異常は、大きく分けて以下のようなタイプがあります。

  • 回数が多い(頻尿)
  • 一度の量が多い(多尿)
  • 一度の量が少ない(ちょこちょこ排尿)
  • 排尿しない(無尿・乏尿)
  • 尿漏れがある(失禁)
  • 排尿時に痛みや苦しそうな様子がある

飼い主さんにとっては見分けが難しい場合もありますが、「トイレの行動パターンがいつもと違う」と感じたら、それは重要な手がかりになります。


「排尿回数」が「多い」ときに考えられる病気

膀胱炎(細菌性・特発性)

頻尿の代表的な原因。膀胱が炎症を起こし、少量ずつ何度も排尿しようとします。尿に血が混じることも。特にメスの子はオスの子よりも起こりやすいので注意が必要です。

尿石症(尿路結石)

膀胱や尿道に結石ができることで、頻繁に排尿しようとしたり、尿が出にくくなったりします。痛みを伴うことも。

尿道閉塞

何度もトイレで排尿しようとするが出ない場合は尿道閉塞の可能性も考えられます。特にオスの子はメスの子よりも起こりやすいので注意が必要です。尿道に結石や粘液栓が詰まり、尿が出なくなる病態です。放置すれば急性腎不全や死亡の危険もあるため、すぐに病院へ。

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「尿量」が「多い」ときに考えられる病気

糖尿病

多飲多尿が特徴。水をたくさん飲み、排尿量も多くなります。体重減少や食欲増加を伴うことも。

慢性腎臓病

特に高齢の犬猫に多く、水を多く飲む・おしっこが増えるといった変化が見られます。初期は無症状のことも多く、早期発見が重要です。

子宮蓄膿症(未避妊の雌)

子宮に膿がたまり、飲水量が増えることで多尿になります。命に関わることがあるので要注意。


排尿回数が「少ない」ときに考えられる病気

脱水

水分摂取が減ると、尿の産生量が少なくなります。食欲不振や下痢・嘔吐があるときは要注意です。

腎不全の末期

腎機能が極端に低下すると、尿がほとんど作られなくなります(乏尿・無尿)。命に関わる状態です。

膀胱アトニー(膀胱無力症)

神経や筋肉の異常(椎間板ヘルニアなど)で膀胱が収縮せず、尿がたまっていても出せない状態になります。慢性の尿閉が背景にあることが多いです。


排尿異常に気づいたときのチェックポイント

  • 1日の飲水量・尿量は増えているか?
  • 排尿時に痛がる、鳴くなどの異常は?
  • トイレ以外での粗相が増えたか?
  • 尿の色やにおいがいつもと違うか?
  • 食欲や元気に変化はあるか?

これらをメモして病院で伝えることで、診断に役立ちます。動画や写真を撮っておくのもおすすめです。


早期発見・早期治療が重要です

おしっこの異常は、一見軽く見えても、命に関わる病気が隠れている場合があります。
特に、雄猫の尿道閉塞や犬の糖尿病・腎不全などは、発見が遅れると重篤化することも少なくありません。
「様子見」で済ませず、早めに動物病院で相談しましょう。


まとめ

犬や猫の排尿異常は、日常生活で最もよく見られる異常のひとつです。
毎日のおしっこの回数や様子を観察することが、健康管理の第一歩。
「トイレの変化」は、体の中からのサインかもしれません。些細な変化でも、お気軽にご相談ください。

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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。