ワクチン接種、犬猫は3年に1回?人は毎年?
ワクチン接種の違いには理由があるんです
「うちの犬はワクチン、3年に1回程度で大丈夫って言われたのに…」
「おばあちゃんはコロナのワクチン、毎年打ってるって…これって矛盾してない?」
実はこの違いには、感染症の種類や流行の仕方、免疫の仕組みといった理由があります。
今回は、「どうして犬猫と人間でワクチン接種の間隔が違うの?」という疑問をわかりやすく解説します。
犬猫はなぜ“3年に1回”でいいの?
犬や猫が接種する「コアワクチン」は、以下のような病気を予防します:
- 犬:ジステンパー、パルボウイルス、アデノウイルス(肝炎など)
- 猫:猫汎白血球減少症、猫カリシウイルス、猫ウイルス性鼻気管炎
これらは非常に重篤な病気ですが、ワクチンによる免疫が長く持続することが証明されています。
特に成犬・成猫では、3年に1回の接種でも十分な抗体価が維持されることが多いため、世界的なガイドライン(※)でも3年に1回の接種が推奨されています。
📝 WSAVA(世界小動物獣医師会)では、抗体価の確認によって追加接種を見送ることも推奨しています。
一方、人はなぜ毎年ワクチンを打つの?
新型コロナウイルスに関しては、特に高齢者で「毎年接種」が勧められるケースが多いです。その理由は以下の通りです:
理由1:ウイルスが次々に変異する
- 新型コロナウイルスは非常に変異しやすく、オミクロン系統など毎年のように新たな株が出現します。
- 去年のワクチンでは防げない株が出るため、その年に流行しそうな型に合わせて接種する必要があります。
理由2:流行の波が続いている
- コロナウイルスは世界的に今も流行が続いており、感染の機会が多く、再感染も起こりやすいです。
理由3:高齢者は重症化しやすい
- 高齢になると免疫の力が落ちてくるため、ワクチンによる予防がとても重要になります。
違いは「免疫の持ち」と「感染リスク」
比較項目 | 犬猫 | 人(高齢者) |
---|---|---|
ワクチン対象のウイルス | 安定していて変異しにくい | 頻繁に変異する(例:コロナ) |
感染機会 | 室内飼育が多く感染しにくい | 通勤や外出で感染機会が多い |
免疫の持続 | 一度のワクチンで数年持続 | 数ヶ月〜1年で抗体価が低下しやすい |
社会的な影響 | 家族内のみ | 医療逼迫など社会全体に影響 |
犬や猫も「年に1回の健康診断」は大切
3年に1回のワクチン接種が推奨されているとはいえ、毎年の健康診断や抗体価チェックは大切です。特に高齢のわんちゃん・ねこちゃんでは、免疫力が落ちることもあります。
➡ 状況に応じて、抗体価検査をして必要な場合だけワクチンを打つのがベストです。
まとめ:違いは“矛盾”ではなく、“合理性”の表れ
- 犬猫は「変異が少ない病原体」を対象に「長期持続するワクチン」が使われている
- 人のコロナワクチンは「変異が激しいウイルス」に対して「社会全体を守るため」に毎年接種されている
つまり、それぞれの事情に合わせて、最も合理的な接種間隔が選ばれているということなんですね。
ご不安な方へ
「うちの子は高齢だけど、ワクチン大丈夫かな?」「抗体価の検査ってできるの?」など、
ワクチンについてご不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
一緒にその子にとって最適な予防プランを考えていきましょう。
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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。