犬の「地面を舐める行動」には理由がある?|よくある異常行動とその裏にある病気
「うちの子、散歩中に地面をずっと舐めていて…」
そんな相談をされることが、実は動物病院ではよくあります。
一見、クセや好奇心の延長のようにも見える行動ですが、犬が地面を舐める背景には、体や心の不調が隠れていることもあるのです。
今回は、犬が地面を舐める理由と、それに隠れているかもしれない病気について解説します。
犬が地面を舐めるのはなぜ?
犬は人と違って言葉で体調を伝えることができません。その代わりに、行動の変化が大切なサインになります。
地面を舐めるという行動には、次のような理由が考えられます。
考えられる理由と注意点
胃腸の不調(吐き気や胃酸過多)
最も多い原因の一つが、胃腸の違和感やむかつきです。
- 食べ物を消化しきれず胃がもたれている
- 胃酸が多く出すぎている
- 空腹時間が長く胃が荒れている
こうした不快感から、何かを舐めることで気を紛らわそうとする犬がいます。地面だけでなく、床や布団、壁などを舐めることもあります。
【注意!】
吐く動作が見られたり、空腹時に泡状のものを吐く場合は、消化器のトラブルが疑われます。
獣医師に相談しましょう。
異食症(いしょくしょう)
食べ物ではないものを好んで舐めたり食べたりする異常行動です。
- 土、石、草、ビニール、金属などを執拗に舐めたり食べようとする
- 栄養不足や貧血、内臓疾患、行動学的な問題が背景にあることも
特に若い犬や、退屈している犬に見られることもありますが、放置すると胃腸内異物など命に関わる事故にもつながります。
ストレスや不安
舐める行為には「自分を落ち着かせる」効果があるとされており、
ストレスや不安が強い犬が、反復的に舐める行動を見せることもあります。
- 留守番が多い
- 急な生活環境の変化(引っ越し、家族の増減など)
- 飼い主との関係が不安定
この場合、地面だけでなく、自分の前足を舐め続けたり、家具をなめることもあります。
学習によるクセ
以前に落ちていた「おやつのカス」や「他の犬のおしっこ」が気になった経験から、地面を舐めることを覚えてしまったケースもあります。
この場合、クセとして定着してしまうこともありますが、他の異常行動とセットで現れると病的な背景も考えられます。
どんなときに病院へ連れて行くべき?
以下のような場合には、できるだけ早く動物病院での相談をおすすめします。
- 地面や床などを異常な頻度で舐める(止めても繰り返す)
- 吐き気、よだれ、食欲不振など他の症状もある
- 以前よりも情緒が不安定になっている
- 石やビニールなど、食べてはいけないものを飲み込んだ可能性がある
行動の裏に内臓疾患や神経症状が潜んでいることもあります。
病気でなくても、行動学的なトレーニングや環境調整が有効なケースもあるので、獣医師にご相談ください。
似たような行動にも注意!
「地面を舐める」以外にも、以下のような行動も異常のサインかもしれません。
- 空中をペロペロ舐める(空舐め)
- 壁や家具の特定の場所を執拗に舐める
- 前足や体の一部を舐め続けて脱毛している
こうした症状は、神経症状・内臓疾患・アレルギー・行動異常など多くの病気と関係します。
まとめ|小さな行動の変化を見逃さないで
犬が地面を舐める行動は、単なるクセに見えても体の不調や心のサインの可能性があります。
愛犬のちょっとした異変に早めに気づくことが、病気の早期発見や健康維持につながります。
「おかしいな?」と思ったら、ぜひ動物病院で相談してみてくださいね。
LINE友だち追加で診察予約・最新情報がチェックできます!!

茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。