犬が水をたくさん飲むのはなぜ?考えられる病気5選
最近、愛犬がやけにお水を飲む…そんなふうに感じたことはありませんか?
暑い日や運動後など、一時的に水を多く飲むのは自然なことですが、「数日間ずっと水を飲み続ける」「トイレの回数が増えた」などの変化がある場合は、注意が必要です。
今回は、犬が水をたくさん飲むときに考えられる5つの病気と、受診の目安について解説します。
犬の「多飲」ってどれくらい?
健康な犬が1日に飲む水の量は、体重1kgあたり約50〜60ml程度が目安とされています。
たとえば5kgの犬であれば、1日に250〜300ml程度が適量です。
これを大きく上回る場合、つまり体重1kgあたり100ml以上飲むようなら、「多飲」として何らかの異常が疑われることがあります。
水をたくさん飲むときに考えられる病気5選
1. 糖尿病
血糖値が高くなると、体はそれを薄めようとして尿の量が増えます。そして、失った水分を補うためにお水を飲む量も増えるというわけです。
「食べているのに痩せてきた」「オシッコの量が増えた」と感じたら、糖尿病の可能性も。
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2. 慢性腎臓病
腎臓がうまく機能しなくなると、体の水分バランスが崩れてしまいます。結果的に、オシッコの量が増え、水を飲む量も増えてきます。
特に高齢犬で、元気があるのに水をやたらと飲むときは注意が必要です。
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3. クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎から分泌されるホルモンが過剰になってしまう病気で、水をたくさん飲む、多尿、異常な食欲、左右対称の脱毛、お腹のふくらみなどが特徴的です。
中高齢の小型犬で多く見られます。
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4. 子宮蓄膿症(未避妊のメス犬)
避妊手術をしていないメス犬では、子宮内に膿がたまる病気「子宮蓄膿症」が起こることがあります。
その初期症状として、「水をたくさん飲む」「元気がない」「陰部からおりものが出る」といった変化が見られることも。
放っておくと命に関わる病気です。
5. 尿崩症
ホルモンの異常などで、腎臓が水分を再吸収できなくなり、非常に多くの水を飲み、たくさんの尿を出すようになります。
比較的まれな病気ですが、「異常な量を飲む」「部屋に粗相してしまう」などの場合に疑われます。
病気以外で水を多く飲むこともある
もちろん、すべての多飲が病気とは限りません。以下のような原因も考えられます。
- 暑い季節で水分補給が増えている
- ドライフードやしょっぱいおやつが多い
- 運動やお散歩でたくさん動いた
- 薬(とくにステロイド剤)を服用している
ただし、こうした一時的な要因がなくても水を飲み続けている場合は、やはり注意が必要です。
自宅でできる「水分チェック」
「病院に行くほどかな…」と迷ったときには、1日でどれくらい水を飲んでいるのか量ってみましょう。
たとえば:
- 朝、水入れに500ml入れておく
- 翌朝、残量を計測して、差し引いた分が飲水量
こうして1kgあたり何ml飲んでいるかを知ることで、受診の判断材料になります。
こんなときは動物病院へ
以下のような症状がある場合は、迷わず動物病院へご相談ください。
- 水を飲む量が明らかに増えてきた
- 尿の回数や量が増えた
- 元気がない、体重が減った、食欲の変化がある
- 吐いたり下痢をしている
- 避妊していないメス犬で、陰部の異常や元気消失がある
診察では、血液検査や尿検査、超音波検査などで原因を探っていきます。
まとめ
犬の「水をよく飲む」という行動は、一見すると元気な証拠のようにも思えますが、体の異変を知らせるサインであることも多いです。
特に、以前よりも明らかに水分摂取が増えていたり、他の症状(元気がない、体重が減ったなど)を伴う場合は早めの受診をおすすめします。
「ちょっと気になる」段階での受診が、病気の早期発見・早期治療につながります。
気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
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