犬の子宮蓄膿症と嘔吐|見逃せない症状と早期対応の重要性
犬の子宮蓄膿症は、避妊手術をしていない雌犬に起こる命に関わる病気です。
「犬 子宮蓄膿症 嘔吐」で調べている飼い主さんは、愛犬の嘔吐や元気消失があり、もしかして…と心配になっている方が多いはず。
この記事では、嘔吐が子宮蓄膿症で見られる理由や、その他の症状、早期対応の重要性について解説します。
子宮蓄膿症とは?
子宮蓄膿症は、子宮内に膿がたまり、全身に細菌や毒素が回ることで急速に悪化する病気です。
発症の多くは発情終了後1〜2か月以内で、細菌感染とホルモンの影響が関係しています。
避妊手術をしていない中〜高齢犬に多くみられますが、若齢でも起こる可能性があります。
嘔吐が起こる理由
子宮蓄膿症では、体内で細菌や毒素が増えることで全身性炎症反応症候群(SIRS)を引き起こし、胃腸の動きが低下します。
また、腎機能や肝機能にも影響が出るため、嘔吐や食欲不振が出やすくなります。
特に閉塞型(膿が体外に出ないタイプ)の場合、症状の進行が早く、嘔吐は重症化のサインになり得ます。
犬の子宮蓄膿症で見られる主な症状
- 嘔吐・下痢・食欲不振
- 元気がない、ぐったりする
- 発熱(または低体温)
- 多飲多尿(お水をたくさん飲む)
- 陰部から膿や血混じりの分泌物(開放型の場合)
- 腹部の張りや痛み
ポイント:閉鎖型では膿が外に出ないため、「元気がない」や「消化器症状」や「多飲多尿」といった症状が病気に気づくきっかけになります。
原因と危険因子
- 避妊手術をしていない
- 高齢(7歳以上でリスク増加)
- 発情後の免疫力低下
子宮蓄膿症が疑われるときの対処法
1. 自宅で様子を見ないで動物病院へ
閉塞型の場合は、エコー検査を実施しないとわかりません。未避妊で何らかの症状がある場合は動物病院へ受診してください。特に発情終了1〜2ヶ月後に発症しやすいので、その時期の体調不良には常に目を光らせておいてあげてください。
2. 移動中の注意点
- 水やフードを無理に与えない
- 安静に保ち、涼しい環境で移動
動物病院での治療
診断
- 血液検査(炎症反応、腎肝機能)
- レントゲン・エコー検査(子宮の腫れ、膿の有無)
治療
- 外科手術(卵巣子宮摘出術)が第一選択
- 開放性の場合は内科的治療も検討(麻酔リスクが高すぎる症例で考慮される)
- 手術前に点滴・抗生物質・ショック対策を行う
- 重症例では術後のSIRS病態進行に注意が必要
予防法
最も確実な予防は避妊手術です。
避妊手術を行うことで、子宮蓄膿症だけでなく乳腺腫瘍の発症リスクも低減できます。
受診の目安まとめ
- 未避妊で嘔吐が数回以上あり、元気がない、食欲がないけどお水はよく飲む
- 発情後1〜2か月以内の体調不良
- 陰部から膿や血の混じった分泌物
これらの症状があれば、夜間や休日でも受診を検討してください。
まとめ
犬の子宮蓄膿症は、嘔吐や元気消失といった一見一般的な症状から始まることがあります。
特に閉鎖型では膿が外に出ず、症状が急速に悪化するため、早期発見・治療が命を守るカギです。
愛犬の命を救うためには、飼い主さんの気づきと迅速な行動が何より重要です。
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