犬が食後に吐く理由とは?危険なサインと受診の目安を解説

「ごはんを食べた直後に犬が吐いた!」
そんな経験はありませんか?
犬はもともと嘔吐しやすい動物ですが、食後に吐く理由には軽度なものから、命に関わる病気までさまざまな原因があります。
この記事では、犬が食後に吐く主な理由・対処法・受診の目安について詳しく解説します。


犬が食後に吐く理由とは?

犬が食後に吐くとき、まず見極めたいのは「嘔吐(胃の内容物を吐く)」か「吐出(食道から出す)」かです。
それぞれの特徴と代表的な原因を見てみましょう。

① 食べるスピードが速すぎる

最もよくある原因です。
一気食いをすると、空気を大量に飲み込み胃が膨張して嘔吐を誘発します。
食後すぐに泡混じりのフードを吐く場合は、単なる“食べすぎ・早食い”が多いです。

▶対処法

  • 食器を早食い防止タイプに変える
  • フードを数回に分けて与える
  • 水分を含ませてふやかす

これだけでも吐き戻しが減るケースが多く見られます。


② 食後すぐの激しい運動

食後に走ったり興奮したりすると、胃の中の食べ物が逆流して吐いてしまうことがあります。
食後30分〜1時間は安静に過ごすようにしましょう。


③ 胃腸炎や異物による閉塞などのトラブル

粘膜が炎症を起こしていると、食後に刺激を受けて吐き気が出ます。
また、実は異物を誤食しており、それが消化管で閉塞を起こすと、食後数時間が経過したにも関わらず、未消化で嘔吐する事もあります。

よく見られる症状

  • 食後の嘔吐や吐き気
  • 食欲不振
  • 大量の胃液や未消化物を吐く

薬で症状が落ち着いても再発を繰り返す場合は、基礎疾患が潜んでいることもあります。

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④ 食物アレルギー・フードの不耐性

特定の食材に対してアレルギーや不耐性があると、食後すぐに嘔吐や下痢を起こすことがあります。
長期間同じフードで症状が続く場合は、除去食試験やフード変更を検討します。

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⑤ 消化管以外の病気(肝臓・膵臓・腎臓など)

肝臓や膵臓のトラブルは、食後に特に吐きやすくなる傾向があります。

例:

  • 膵炎:脂肪分の多い食事後に激しい嘔吐・腹痛
  • 肝臓病:食後のだるさ、食欲低下、黄疸など
  • 腎臓病:慢性的な吐き気や口臭、元気消失

これらは血液検査や画像検査で初めてわかることも多く、早期発見が重要です。

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⑥ 胃拡張捻転症候群(大型犬に多い緊急疾患)

食後に突然吐こうとしても吐けず、苦しそうにしている場合は要注意です。
胃がねじれてしまう胃拡張捻転症候群の可能性があります。
「早食いや一気食い後」「食後の激しい運動」「夜間」に起こりやすい傾向があります。

主な症状

  • 何度も吐こうとして吐けない
  • お腹が急にパンパンに膨れる
  • よだれが増える、呼吸が荒い
  • 落ち着きがない、ぐったりする

この病気は一刻を争う緊急疾患です。すぐに動物病院へ。

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自宅でできる対処法

軽度の嘔吐で元気・食欲があり、1回だけ吐いた場合は以下を試してみても良いでしょう。

  • 数時間は絶食し、胃を休める
  • 少量の水を何度かに分けて与える
  • 半日後にふやかしたフードを少量与えて様子を見る

ただし、繰り返し吐く・食欲がない・ぐったりしている場合は、自己判断せず受診を。


動物病院を受診すべきサイン

次のような症状があるときは、早めに動物病院へ行きましょう。

  • 吐いた回数が多い(1日に2回以上)
  • 吐いた物に血や黒色物質が混じる
  • 食後に何度も吐き続ける
  • 下痢や発熱を伴う
  • 元気・食欲が明らかに落ちている
  • お腹が膨れて苦しそう

診察では、問診・触診に加えて、血液検査・レントゲン・エコー検査などで原因を調べます。


まとめ:食後の嘔吐は体からのサイン

犬が食後に吐く理由は、単なる早食いのこともあれば、重大な病気のサインのこともあります。
「よくあること」と見過ごさず、頻度・吐いた物・元気食欲の変化を観察し、少しでも気になる場合は動物病院へ相談してください。

愛犬の小さなサインを見逃さないことが、病気の早期発見につながります。

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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで犬猫の消化器症状でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。