子猫の神経症状を引き起こす病気5選|ふらつき・けいれんは要注意!
子猫は成長の真っ最中でとても元気なイメージがありますが、
実は 「神経症状」 を引き起こす病気も少なくありません。
神経症状とは、
- ふらつく
- けいれんする
- うまく歩けない
- 目が揺れる
- 反応が鈍い
などの症状を指します。
特に子猫の場合は、病気の進行が非常に早いことも多く、早期発見・早期治療が命を左右するケースもあります。
この記事では、子猫に神経症状を起こす代表的な病気を5つ紹介します。
子猫に神経症状を起こす病気5選
① 幼齢期の低血糖(ミルク期の子猫に多い)
子猫は体が小さく、エネルギーを蓄える肝グリコーゲンの量も少ないため、わずかな食事不足でも 低血糖 を起こしやすい動物です。特に生後4か月齢までは肝臓の機能が未発達で、十分なエネルギーを蓄積することが難しく、低血糖のリスクが高くなります。
また、4か月齢を過ぎた子猫であっても、嘔吐・下痢・食欲不振などが続いて栄養が不足すると、低血糖を発症することがあるため注意が必要です。
低血糖で出る症状
- ふらつき、よろける
- ぐったりする
- けいれん
- 体温が下がる
- 反応が鈍い
低血糖は特に
- ミルク猫(離乳前)
- 体重が軽い子猫
- 下痢や風邪で食べられない子
に多く見られます。
すぐにブドウ糖投与で改善することもありますが、放置すると命に関わります。
② 先天性の頭蓋内疾患(奇形・水頭症など)
生まれつき脳の構造に問題があり、神経症状が子猫の頃から見られるタイプの病気です。
代表例は
- 水頭症(脳室に脳脊髄液が溜まる)
- 小脳形成不全
- 大脳の奇形(脳梁欠損など)
見られる症状
- ふらふら歩く(運動失調)
- 頭が大きい、泉門が閉じない(主に水頭症)
- ジャンプがうまくできない
- 反応が鈍い
- けいれん
先天性疾患は完全に治すことが難しい場合もありますが、内服薬や環境調整で症状を軽減できるケースもあります。
③ 猫伝染性腹膜炎(FIP)|子猫の神経症状で最も要注意
FIPは、猫コロナウイルスが体内で突然変異して発症する病気で、特に 1歳以下の若い猫に多い重篤な疾患です。
FIPには
- ウェットタイプ(胸水・腹水・心嚢水)
- ドライタイプ(肉芽腫形成)
があり、神経症状を起こすのは主にドライタイプです。
FIPで見られる神経症状
- ふらつき
- けいれん
- 旋回行動(同じ方向にくるくる回る)
- 視力低下・瞳孔異常
- 意識レベルの低下
最近は抗ウイルス薬によって治療可能になりつつある病気ですが、早期診断がとても大切です。
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④ リンパ腫(脳・脊髄にできる腫瘍)
リンパ腫は猫で最も多い腫瘍のひとつで、子猫や若い猫でも発生することがあります。
特に 猫白血病ウイルス(FeLV)感染猫 ではリスクが高く、中枢神経系に腫瘍ができると神経症状が現れます。
主な症状
- ふらつき
- けいれん
- 性格の変化(怒りっぽい・元気がない)
- 首が傾く(斜頸)
子猫の神経型リンパ腫は比較的まれですが、進行が早く、残念ながら予後は不良とされています。
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⑤ トキソプラズマ感染症
トキソプラズマは、土壌や生肉に存在する原虫(寄生虫)で、子猫が感染すると 神経症状・呼吸器症状・消化器症状 を起こすことがあります。
トキソプラズマで出る神経症状
- ふらつき
- 筋肉の震え
- けいれん
- 階段を上りたがらない
- 元気消失
早期診断・早期治療が行われれば、比較的予後は良好です。
子猫の神経症状は“急いで受診”が鉄則
子猫の神経症状は、
放置すると数時間〜数日で悪化する危険なサインです。
次のような症状があれば、すぐに動物病院に相談しましょう。
- 急にふらつく
- けいれんする
- 手足が動かしづらい
- ぐったりしている
- 目の動きがおかしい
- 階段や段差を嫌がる
まとめ
子猫の神経症状を起こす代表的な病気は次の5つです。
- 低血糖(幼齢)
- 先天性頭蓋内疾患(奇形・水頭症など)
- FIP(ドライタイプ)
- リンパ腫(脳・脊髄)
- トキソプラズマ感染症
これらはどれも子猫の命に関わるものですが、適切な治療で改善する可能性がある病気もあります。
少しでも「おかしいな?」と思ったら、早めに動物病院へご相談ください。
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