【猫の膀胱炎はなぜ起きる?】原因・症状・治療・自宅でできる対策を獣医師が解説
「トイレに何度も行く」「血尿が出ている」「排尿時に鳴くようになった」——
そんな時にまず疑われる病気のひとつが猫の膀胱炎です。特に室内飼育の増加とともに相談件数が多い疾患でもあり、早期対応が治療のポイントとなります。この記事では、猫 膀胱炎 原因を中心に、症状・治療・予防法・受診のタイミングまでわかりやすくまとめました。
猫の膀胱炎とは?
膀胱内で炎症が起きる状態を「膀胱炎」と呼びます。細菌感染が原因になることもありますが、猫では明らかな原因が特定できない特発性膀胱炎が特に多いことが特徴です。膀胱炎は再発しやすく、ストレス・食事内容・水分摂取量など日常の環境が大きく関わります。
猫 膀胱炎 原因の代表例
膀胱炎の原因はひとつではありません。複数の要因が絡み合って発症します。よくみられる主な原因を詳しく解説します。
1. ストレス・生活環境の変化
猫は環境変化に弱い動物です。
引っ越し、同居動物の変化、トイレ環境の不満などが大きなストレスとなり、膀胱の神経の働きが乱れることで膀胱炎が起こります。特発性膀胱炎の多くで関与しています。
✔ トイレの数が足りない
✔水飲み場が汚れている
✔ 引っ越しや模様替えをした
✔ 多頭飼育で喧嘩がある
これらは要注意ポイントです。
2. 尿結石・結晶
マグネシウムなどが関与するストルバイト、カルシウム系のシュウ酸カルシウムなどが代表的。
尿路閉塞を引き起こすと命に関わる緊急疾患のため、血尿や排尿困難がある場合はすぐ受診を。
3. 細菌感染
猫は腎臓の濃縮能が高いことから、細菌感染は起こりづらいと言われています。しかし慢性腎不全などにより濃縮力が低下した場合は細菌性膀胱炎を発症することがあります。
抗菌薬治療が必要になるため、尿検査が大切です。
4. 水分摂取不足
飲水量が少ないと尿が濃くなり、炎症や結晶の原因に。
ドライフードのみの場合は特に注意が必要です。
5. 寒さ・季節の影響
冬場は水を飲む量が減りやすく膀胱炎の相談が増える傾向があります。
猫の膀胱炎でよく見られる症状
- トイレに頻繁に行く
- 砂をかくが尿が少量しか出ない
- 血尿・ピンク色の尿
- 排尿時に痛がる、鳴く
- トイレ以外での粗相
- 陰部をよく舐める
※オス猫は尿道が細いため、尿閉塞(尿が全く出ない状態)になりやすく非常に危険です。
自宅でできる膀胱炎対策・予防
膀胱炎は環境改善で再発を防ぎやすい病気です。今日からできる対処を紹介します。
◎ 水分を摂りやすい工夫
- ウェットフードの活用
- 飲水器(循環式)を置く
- 複数の場所に水皿を設置
- スープ状のおやつを利用
◎ トイレ環境の改善
- 多頭飼育は「頭数+1個」が理想
- 体格の1.5倍ほどの広さ
- 清潔な状態を保つ
◎ ストレスを減らす
- 隠れ家・高い場所を作る
- 来客時は静かな部屋に
- 遊び・運動で気分転換
◎ 食事管理
結石体質の猫には療法食が有効な場合があります。自己判断では変更せず、獣医師と相談しましょう。
こんな時はすぐ受診を!
- 血尿が出ている
- トイレに行くのにほとんど尿が出ない
- 苦しそうに鳴く
- まったく尿が出ていない(緊急!)
- 膀胱炎を繰り返す
特にオス猫の尿閉塞は数時間で命に関わることがあります。
迷ったらすぐ病院へご連絡ください。
まとめ
今回は猫 膀胱炎 原因について、症状・治療・予防まで解説しました。
膀胱炎の主な原因
- ストレス・環境変化
- 結石・結晶
- 細菌感染
- 水分不足
膀胱炎は再発が多い病気ですが、
生活環境の見直しと早期治療で改善が十分期待できます。
「最近トイレの様子がいつもと違うかも?」
そんな小さな変化が早期発見につながります。気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
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