犬の下痢におすすめのフードは?適切な選び方と早く治すための食事・注意点

犬の下痢におすすめのフードについて知りたい方へ。
「急に軟便になった」「食事で整えてあげたい」「下痢のとき何を食べさせればいいの?」とお悩みの飼い主様向けに、動物病院の視点でわかりやすく解説します。

近年では、急性下痢に対して薬の積極的な使用よりも、食物繊維(サイリウム・ビートパルプなど)、プロバイオティクス・プレバイオティクスを活用した腸内環境改善が有効だったという報告もあります。
食事選びは治療の大切な一部。まずは基本から見ていきましょう。

犬の下痢が起こる原因と、フード選びが重要な理由

犬の下痢の原因は多岐にわたりますが、その多くで腸のバランスの乱れや消化負担が関与します。

よく見られる原因

  • 急なフード変更・食べ過ぎ
  • ストレス(環境変化・留守番が増えた等)
  • 人の食事の盗食(脂質が高いご飯)
  • 感染症、寄生虫
  • アレルギー・慢性腸症
  • 胆泥症・膵炎などの消化器疾患
  • リンパ腫などの腫瘍性疾患

軽度の急性下痢は適切なフード選びで改善するケースが多いため、「どんな食事が合うか」は症状改善の鍵になります。

犬の下痢におすすめのフードの選び方

① 消化性の高いフード(療法食が最も無難)

  • 低脂肪・高消化性(加水分解蛋白)のものが◎
  • 胃腸の負担を減らし回復をサポート
  • 急発症の下痢には第一候補

フード選択時の成分欄の

「脂質〇〇%以上」の表記をチェックすると良いでしょう。
明確な「低脂肪食」の基準は定められていないので、「前後10%以上」と書かれているものを参考にすると良いかと思います。

② 食物繊維(サイリウム・ビートパルプ)配合フード

近年注目されているのが水溶性食物繊維
急性下痢の治療において、抗生剤より腸内細菌叢を整えることを重視する研究が増えています。

効果としては:

✔ 便中の水分量を調整し適度な硬さへ
✔ 善玉菌のエサとなり腸内環境を整える
✔ 慢性の軟便にも有効ことがある

フード選択時は成分欄の
「サイリウム」「ビートパルプ」「水溶性食物繊維」
などをチェックすると良いでしょう。

③ プロバイオティクス配合フード(乳酸菌など)

  • 善玉菌を腸に直接届ける
  • 下痢改善や腸のバリア機能強化に期待
  • 整腸・軟便のケアとして人気

市販のフードにも、乳酸菌やビフィズス菌などが配合された犬用製品があります。ただし、含有量や菌の質が明記されていない場合がほとんどのため、必要に応じてサプリメントで補うことも検討すると良いでしょう。

④ プレバイオティクス配合フード(オリゴ糖など)※注意点あり

ププロバイオティクスが「菌そのもの」であるのに対し、プレバイオティクスはその善玉菌のエサとなる成分です。

ただし、ここが重要なポイントです。
急に大量に与えると、症状が悪化することがあります。

理由:
腸内での発酵が強まり、ガスの増加・お腹の張り・下痢などを引き起こす可能性があるためです。

そのため、少量から段階的に増やしていくことが大切です。

初めて与える際の目安
・規定量の 1/4〜1/3程度からスタート
・便の状態を見ながら 数日〜1週間かけて調整
・下痢や不調がみられる場合は すぐに中止し、動物病院へ相談

急性下痢のときのフードの与え方(食べ方が改善に影響します)

  • 12〜24時間の少量給餌〜絶食
  • 与える際は少量・数回に分けて与える(一度にたくさんはNG)
  • 水分摂取を増やし、スープ状にするのもおすすめ
  • おやつ・人の食べ物は禁止

「食べなくて可哀想だから…」とおやつを与えるとさらに悪化する場合も。
下痢の時期は一時的に食事をシンプルにしましょう。

犬の下痢におすすめのフードタイプまとめ

フードの種類合うケース
消化器サポート系の療法食急性〜慢性の下痢・軟便
低脂肪フード膵炎歴がある・脂っこい物に弱い
食物繊維配合フード便の形を整えたい
プロバイオティクス入り腸内環境を整えたい
プレバイオティクス入り腸内環境を整えたい 少量ずつ慎重に試す

こんな症状がある場合はフード対応だけでは不十分かもしれない

  • 血便・黒色便が出る
  • 嘔吐を伴う
  • ぐったり、脱水
  • 子犬・高齢犬で進行が早い
  • 3日続く下痢・慢性化
  • 食べ物ではなく異物誤食の疑い

早めに動物病院へ相談を

まとめ

  • 犬の下痢には消化性の高いフードが基本
  • 食物繊維(サイリウム/ビートパルプ)注目
  • プロバイオティクス・プレバイオティクスは腸内環境改善に有効
  • プレバイオティクスは 急な大量投与は逆効果になるため注意
  • 改善しない・悪化する場合は早期に受診

愛犬のお腹を守るために、今日からできることはご飯選び焦らず、体質に合ったフードで腸を休ませてあげましょう!

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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで犬猫の消化器症状でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。