犬があくびをする理由|「眠い」だけじゃない、脳と心のサイン

犬のあくびを見ると、「眠いのかな?」と思われる方が多いでしょう。
しかし実際には、犬のあくびは脳と心の状態を映し出す、とても興味深いサインです。

ここでは、
犬の行動 × 脳の働き を組み合わせて、できるだけ分かりやすく解説します。

犬のあくびは「脳のスイッチ調整」

犬があくびをするとき、脳の中では
視床下部(ししょうかぶ)という場所が活発に働いています。

この視床下部の中にある
室傍核(PVN:しつぼうかく)
という部分は、

  • 目を覚ます
  • リラックスする
  • ストレスを和らげる
  • 自律神経を整える

といった働きをまとめてコントロールしています。

つまり、あくびは「脳の状態を整えるための調整動作」なのです。

犬があくびをする主な理由

① 眠い・目覚めのタイミング

よくある場面

  • 起きた直後
  • うとうとしているとき
  • 寝る前

体の中で起こっていること

脳を「休息モード → 活動モード」に切り替えるため、視床下部が働き、脳の血流を増やして覚醒を促します。

あくび = 脳を目覚めさせる準備運動

② 緊張・不安・ストレスを感じたとき

よくある場面

  • 動物病院
  • 爪切り
  • 苦手な人や犬と会ったとき
  • 叱られたあと

体の中で起こっていること

緊張やストレスを感じると、脳は興奮状態になります。
この時、視床下部はリラックスさせる物質(オキシトシン)を出し、その結果としてあくびが誘発されます。

あくび = 自分を落ち着かせるための行動

そのため、犬にとってあくびは「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせる行動とも言えます。

③ 相手の気持ちを和らげる「カーミングシグナル」

犬は、相手に敵意がないことを伝えるために
あくびをコミュニケーション手段として使います。

よくある場面

  • 犬同士の初対面
  • 飼い主が叱っているとき
  • 空気が張り詰めているとき

あくび =「落ち着こう」「ケンカしたくないよ」

これはカーミングシグナル(安心の合図)と呼ばれています。

④ 飼い主のあくびにつられる

犬は、大好きな飼い主のあくびにつられて、同じようにあくびをすることがあります。

これは、犬が人の表情や行動をよく観察し、気持ちに共感している証拠と考えられています。

あくび = 共感・絆のサイン

注意が必要な「あくび」

通常のあくびは心配ありませんが、
以下のような場合は注意が必要です。

・異常に頻繁なあくび
・元気・食欲低下を伴うあくび
・ふらつき・発作・行動異常と同時に出るあくび

これらは、

・脳の病気
・低血糖や門脈シャントなど代謝性の病気
・自律神経の異常

など、中枢神経のトラブルのサインである可能性もあります。

「あくびが多いな」と感じたら、他の症状がないかをよく観察してください。

動物病院でよく見る「あくび」

診察室で犬が頻繁にあくびをする場合、
多くは 「緊張・不安」 が原因です。

これは
犬が一生懸命、自分を落ち着かせようとしている証拠 なので、決して「やる気がない」「退屈している」わけではありません。

まとめ|犬のあくびは「心と脳の健康サイン」

犬のあくびは、

  • 眠気
  • 緊張
  • 不安
  • 安心
  • 共感

など、さまざまな感情や体調を反映する大切な行動です。

あくび = 眠い だけではありません。

日常生活の中で犬のあくびに気づくことで、今どんな気持ちなのか、何を感じているのかを読み取れるようになると面白いですよね。


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