猫の病気に気づきにくい症状5選|その「いつものこと」が実は病気のサインかも?
猫はとても我慢強く、体調が悪くてもそれを隠そうとする動物です。毎日見ている飼い主様でも、**「いつも通りに見えるけど、実は体の中で異変が起きている」**ということも少なくありません。
この記事では、猫によくある「見逃されやすい症状」と、それに隠れている可能性のある病気について、獣医師の視点から解説します。
1. 少し食べるけど完食しない|「食欲はあるから大丈夫」と思い込まないで
一見元気そうでも、食べる量が減っているのは要注意
猫は「ちょこちょこ食べ」する子も多いため、食欲の低下が見逃されやすい傾向があります。特に、今まで完食していた子が残すようになった、あるいは好きなものだけ食べるようになった場合、内臓の不調や口の痛みが隠れている可能性があります。
隠れているかもしれない病気
- 慢性腎臓病
- 歯肉口内炎・口腔内腫瘍
- 消化器疾患(炎症性腸疾患、リンパ腫など)
受診の目安
- 好きなものしか食べない
- 体重が減ってきた
- 口を気にするしぐさがある
2. じっと伏せたまま動かない|「よくある光景」だからこそ、見逃しがち
じっと伏せているけど、実は寝られていない。気づいたら呼吸数が多いかも?
猫は本来、1日の大半を寝て過ごします。香箱座り(前足を体の下に折りたたんで座る姿勢)は一般的にリラックスしている時や眠い時に見られる姿勢ですが、呼吸が苦しくて酸素消費量を抑えるために体勢を変えない場合もあります。呼吸数が多く(40回以上/分)、瞳孔が見開いている(交感神経優位)の場合は呼吸器疾患や疼痛の可能性も考えられます。
隠れているかもしれない病気
- 感染症(FIP、猫風邪など)
- 心疾患
- 腫瘍や内臓疾患による慢性の痛みや倦怠感
受診の目安
- 香箱座りでも瞳孔が見開いている
- 抱っこや接触を嫌がる
- 呼吸が浅く速い、胸やお腹が上下して呼吸する。
3. トイレ以外の場所で粗相をする|「わがまま」ではなく、体のSOSかも
怒る前に、「排泄の変化」に注目を
猫がトイレ以外で排泄すると、「しつけの問題」と思われがちですが、これは泌尿器系の病気の初期症状であることもあります。特に雄猫では、尿道閉塞に進行する可能性があるため、早期発見が重要です。
隠れているかもしれない病気
- 膀胱炎(特発性、細菌性、結石性など)
- 尿道閉塞(特に雄猫)
- 腎疾患
受診の目安
- トイレに頻繁に行くが出ていない
- 排尿時に鳴く、痛がる
- おしっこが少ない、または出ていない
4. 毛づくろいの変化|「きれい好きな猫」こそ変化が病気のサイン
毛づやや毛づくろいの頻度・範囲に注目
猫のグルーミングは健康のバロメーターです。毛づくろいをしなくなった、あるいは過剰になめて部分的にハゲているなど、いつもと違うグルーミングの仕方は、皮膚や内臓、ストレスなどの異常が原因のことがあります。
隠れているかもしれない病気
- 関節炎(グルーミングが痛くてできない)
- ストレス性脱毛
- 皮膚炎、アレルギー、寄生虫疾患
受診の目安
- 毛艶が悪い、べたつく
- 特定の部位だけしつこくなめる
- ハゲ、赤み、フケがある
5. 鳴き方・性格の変化|「なんか最近甘えてこない…」は病気のサイン?
行動の変化は、体調の変化より先に現れることも
猫は、性格の変化が病気の兆候として現れることがあります。例えば、急に怒りっぽくなる、抱っこを嫌がる、触られるのを避けるなどです。特にシニア期の猫で、今までと性格が変わった場合は、認知機能の変化や慢性的な痛みがあるかもしれません。
隠れているかもしれない病気
- 認知症(高齢猫)
- 高血圧症(心筋症・甲状腺機能亢進症・腎疾患)
- 慢性疼痛(関節炎、神経系の異常)
受診の目安
- 抱っこや撫でられるのを嫌がる
- 攻撃的・無気力になった
- 夜中に鳴くようになった
まとめ|「いつもと違うかも?」が病気のサイン
猫は本能的に不調を隠す生き物です。だからこそ、小さな「いつもと違う」に気づくことが、早期発見・早期治療につながります。
以下のような違和感を感じたら、どうか自己判断せず、動物病院にご相談ください。
- 食事、トイレ、毛づくろいなどの生活行動に変化がある
- いつもの場所にいない、隠れていることが増えた
- なんとなく元気がない、甘えてこない
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