ポメラニアンに多い病気5選|かわいい見た目の裏に潜むリスクとは?

ふわふわの被毛と明るい性格で人気の高いポメラニアン。小型犬ならではの健康トラブルに加え、遺伝的にかかりやすい病気も存在します。
この記事では、ポメラニアンに多い代表的な病気5つを解説し、症状や予防法、飼い主としての対策ポイントを紹介します。


ポメラニアンの体質と病気の傾向

ポメラニアンは超小型犬の一種で、骨が細く、気道や皮膚、ホルモンバランスなどに弱点を抱えやすい犬種です。また、毛量が多いため皮膚トラブルの発見が遅れがちという特徴も。
そのため、小さな異変を見逃さない観察力と、定期的なケアが健康維持のカギになります。


1. 気管虚脱

特徴

小型犬に多い呼吸器疾患で、気管が潰れて呼吸が苦しくなる病気です。特にポメラニアンでは遺伝的な傾向が強く、加齢とともに悪化するケースもあります。

症状

  • ガーガーという咳(ガチョウの鳴き声のよう)
  • 興奮時や散歩中に咳き込む
  • 呼吸が速い、ゼーゼー音がする

予防と対策

首輪ではなくハーネスを使用し、気管に負担をかけないことが大切。
重症例では外科手術や内視鏡下でのステント留置が必要になることもあります。


2. 脱毛症X(ポメハゲ)

特徴

「ポメハゲ」とも呼ばれる、毛が全体的に薄くなる皮膚疾患で、特に若〜中年齢のオスでよく見られます。明確な原因は不明ですが、内分泌やホルモン異常との関与が疑われています。

症状

  • 首〜お尻にかけての毛が薄くなる
  • 地肌が見えるほどの脱毛(痒みは少ない)
  • 被毛の質感が変わる(フワフワ感がなくなる)

予防と対策

完全な予防は難しいものの、早期発見で治療の選択肢が広がるため、定期的な被毛チェックが大切です。バリカンでの毛刈りも発生に関与している可能性も考えられています。治療はホルモン剤、メラトニン、外用薬、生活習慣の見直しなど多岐にわたります。


3. 皮膚炎・アレルギー性皮膚疾患

特徴

皮膚が敏感な犬種であり、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、マラセチア性皮膚炎などが起こりやすい傾向があります。フワフワの毛で隠れやすく、悪化してから気づかれることも。

症状

  • 体をよく掻く・舐める
  • 皮膚が赤くなる、フケが出る
  • 外耳炎を繰り返す

予防と対策

アレルギー検査や食事管理、スキンケアが重要です。定期的なシャンプーや保湿ケアも効果的です。症状が出たら早めに受診しましょう。
より詳しいコラムはこちら↓↓

犬のアレルギー性皮膚炎の管理について


4. 膝蓋骨脱臼(パテラ)

特徴

小型犬に非常に多く、ポメラニアンも例外ではありません。膝の皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれてしまう病気で、先天的・後天的要因が関与します。

症状

  • 片足を浮かせて歩く
  • スキップするような歩き方
  • 抱っこを嫌がる、足を触られると嫌がる

予防と対策

滑りやすい床は避け、フローリングにマットを敷くなどの工夫を。重症例では手術が必要になることもあるため、違和感に早く気づくことが大切です。


5. 僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

特徴

中高齢のポメラニアンでよく見られる心疾患。心臓の弁(僧帽弁)がきちんと閉じず、血液が逆流することで心臓に負担がかかる病気です。

症状

  • 咳(特に寝起きや運動後)
  • 疲れやすい、散歩を嫌がる
  • 呼吸が速くなる

予防と対策

7歳以上では年1回の心臓検診(聴診+エコー)をおすすめします。早期に発見できれば、内服薬でのコントロールが可能です。

より詳しいコラムはこちら↓↓

犬の心原性肺水腫の病態機序と救急対応について


まとめ

疾患名主な症状予防・対策
気管虚脱ガーガー咳、呼吸困難ハーネス使用・体重管理
脱毛症X脱毛・被毛の変化定期観察・早期治療
皮膚炎・アレルギー痒み・赤み・耳のトラブルアレルギー検査・保湿ケア
膝蓋骨脱臼跛行・スキップ歩行床対策・ジャンプを控える
僧帽弁閉鎖不全症咳・運動不耐性高齢期の定期心臓チェック

ポメラニアンと健やかに暮らすために

見た目の可愛さだけでなく、病気に対する正しい理解とケアが長寿につながります
小さな体の中で起こっている変化を見逃さず、日々の観察と定期的な健康診断を心がけましょう。

LINE友だち追加で診察予約・最新情報がチェックできます!!




茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。