公園や街路樹で見かける夾竹桃(キョウチクトウ)の誤食にご注意を!

はじめに
鮮やかな花と丈夫さから、公園や学校、道路沿いなどでよく見かける夾竹桃(キョウチクトウ)。しかしこの植物は、犬や猫にとって非常に強い毒性をもつ危険な植物です。この記事では、夾竹桃の毒性や誤食時の症状、対処法、予防策について詳しく解説します。
愛犬・愛猫を守るためにも、ぜひ最後までお読みください。
夾竹桃とは?どこに生えている?

- 学名:Nerium oleander
- 別名:オレアンダー
- 特徴:細長い葉とピンクや白の花
- 分布:全国の学校、公園、街路樹、庭木などに多く植えられている

身近なところにも夾竹桃(キョウチクトウ)はあります。
例えば、藤沢・茅ヶ崎エリアでは、辻堂海浜公園近くにて夾竹桃(キョウチクトウ)を確認しています。

直接、花や葉っぱを食べる事はないと思いますが、散歩中に剪定された枝や落ち葉をふと口にする危険性はあります。
散歩の際には十分に気をつけましょう!
- 毒があるのになぜ夾竹桃はよく植えられているの?
-
毒性の高さが知られている夾竹桃ですが、実はこれほどまでに広く植栽されてきたのには理由があります。
夾竹桃が選ばれる理由
- 暑さ・乾燥・排気ガス・潮風にも強く、都市部でも枯れにくい
- 海岸エリアでは防砂林としても機能する
- 病害虫に強く、手入れが少なくて済む
- 花期が長く、景観が美しい(6月〜秋まで開花)
- 成長が早く剪定にも強いので、日よけや目隠しとしても優秀
- 広島では「原爆投下後に最初に咲いた花」として復興の象徴にされた歴史もある
そのため、公園や街路樹、学校の校庭などに多く植えられてきた背景があるのです。
どこが毒?少量でも危険!
夾竹桃はすべての部位(葉・茎・花・根・種)に毒が含まれています。
主な毒成分
- 強心配糖体(カルデノライド)
→ 心臓の働きを強くしすぎて不整脈や心停止を引き起こす - その他、消化器系や中枢神経系にも作用する毒素が含まれる
たった葉1枚程度の摂取でも犬や猫にとって重篤になることがあります。
犬猫が誤食したときの症状
早期(~数時間以内)
症状 | 内容 |
---|---|
嘔吐・下痢 | 消化器粘膜への刺激による |
よだれ・食欲不振 | 苦味と毒性による拒絶反応 |
腹痛・元気消失 | 消化器の炎症や全身状態悪化 |
中期~重症(数時間~半日)
症状 | 内容 |
---|---|
徐脈または頻脈 | 強心配糖体の心臓作用による |
不整脈 | 命に関わる心電図異常 |
けいれん・昏睡 | 中枢神経系への影響 |
呼吸困難 | 心不全・肺水腫による |
もし誤食してしまったら?すぐに取るべき行動
飼い主がすべきこと
- 誤食の痕跡を確認(植物片、嘔吐物など)
- 植物の写真を撮る・持参する(誤食した種類の特定に重要)
- 動物病院へすぐに連絡・受診
※自宅で吐かせる行為(塩やオキシドールの使用など)は絶対にやめましょう。
誤った対処で状態が悪化することがあります。
動物病院での治療内容
- 催吐処置(時間内であれば)
- (数時間以内かつ意識レベルが低下の場合)胃洗浄
- 活性炭投与:毒素の吸収を防ぐ
- 点滴治療:循環維持と腎保護
- 心電図モニタリング:不整脈の有無をチェック
- 必要に応じた薬剤投与(抗不整脈薬、けいれん抑制など)
予防が第一!身の回りの植物に注意
飼い主ができる対策
- 自宅や散歩コースに夾竹桃が植えられていないか確認
- 落ち葉や枝を口に入れないよう監視
- ガーデニング好きな方は犬猫に安全な植物を選ぶ
- 小型犬や子猫には特に注意!
📚他にも注意が必要な植物:ユリ、スズラン、ポインセチア、アジサイ、チューリップなど
詳しいコラム記事はこちら↓↓
まとめ
夾竹桃は美しい見た目とは裏腹に、犬と猫にとっては命に関わる猛毒植物です。
わずかな誤食でも重篤な中毒症状を引き起こす可能性があるため、「もしかして食べたかも?」と思ったらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。そして大切な家族を守るためにも、普段から危険な植物への注意と予防を心がけましょう。
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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで、犬猫の誤食で緊急の際には湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。