ダイエットしてるのに太ってしまう!?|愛犬が肥満となってしまう病気について

はじめに
「動物病院で肥満を指摘されて、減量を頑張っているのになかなか痩せない…」「ご飯の量もおやつも減らしているのに、体重が増えてしまう…」そんな経験はありませんか?
「肥満=飼い主の管理不足」のような印象を与えてしまいますが、実は、「食べ過ぎてないのに太ってしまう」のは、飼い主様の管理不足ではなく病気が原因の場合もあります。
今回は愛犬の肥満につながる病気について詳しくご紹介します。
なぜ太るの?食事制限しても痩せない原因とは
通常、犬が太る原因は「摂取カロリーが消費カロリーを上回っていること」です。
ですが、「ご飯を減らしても太る」「運動しても痩せない」という場合は、代謝を乱す病気が隠れている事があります。
肥満に繋がる代表的な病気や体質
1、甲状腺機能低下症
- 中高齢の犬に多いホルモンの病気
- 甲状腺ホルモン(代謝を促すホルモン)が減少することで、代謝が落ち、太りやすくなります。
- 症状:体重増加、運動不耐性、毛が薄くなる、震え、元気低下 など
2、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
- 副腎ホルモン(ステロイドホルモン)が過剰に分泌される病気です。
- 過剰ステロイドにより脂肪分布の変化・インスリン抵抗性の増加などが起こり、太りやすくなります。
- 肝臓の腫大や皮膚や筋肉が薄くなることでお腹がぽっこりしてくる「腹囲膨満」がみられ、見た目が「太っている」状態にもなります。
- 症状:多飲多尿、筋量低下、毛が薄くなる、皮膚が薄くなる
3、腸内フローラの乱れ
腸内細菌におけるFirmicutes門/Bacteroidetes門比(F/B比)が高いと太りやすいと、ヒトと同様に犬でも言われています。
腸内フローラの乱れではFirmicutes/Bacteroidetes比(F/B比)が上昇し、エネルギー吸収効率が高まり過ぎてしまう事で肥満を助長します。Bacteroidetesの減少もこの比率上昇の一因であり、代謝や炎症制御に悪影響を与える可能性があります。
そのため、F/B比のバランス維持が肥満予防に重要です。
4、避妊・去勢の影響
早期の避妊・去勢は性ホルモンの低下により代謝が落ち、食欲が増す一方でエネルギー消費が減少します。
さらに、脂肪細胞が生涯で最も増殖しやすい成長期と避妊・去勢時期が重なると、脂肪細胞の数自体が増え、将来的に脂肪が蓄積しやすい体質になります(脂肪細胞数が多いため、痩せづらくなる)
そのため、成長期の栄養管理と術後の運動・食事制限が重要です。
見逃さないチェックポイント
以下のような状態の場合は、一度動物病院で検査を受ける事をオススメします。
- 食事制限をしているのに太ってしまう
- 散歩や運動を嫌がる
- 毛艶が悪くなった・脱毛がある
- お水をたくさん飲む・尿の量が多い
早期発見で健康的な体型に!
肥満は、心臓病や呼吸器疾患、関節疾患、糖尿病や尿石症など多くの病気のリスクを高めるため、放置は良くありません。
一方で、「食事管理しているのに痩せない」「運動や散歩を嫌がり太る」といった場合、単純に「飼い主の努力不足」と決めつけず「病気の可能性」を考慮して血液検査やホルモン検査など原因特定を行うことが大切です。
まとめ
「太っている=食べ過ぎ」と決めつける前に「病気が隠れているのではないか?」という視点も忘れずに持つことが大切です。
当院では、健康チェックを含めた体重管理のサポートもおこなっています。
ご心配なことがあれば、いつでもご相談ください。
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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで健康管理でお悩みの際は湘南ルアナ動物病(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。