犬の病気に気づきにくい症状5選|その「いつものこと」が実は病気のサインかも?
犬は人間のように言葉で不調を伝えることができません。そのため、飼い主様が「いつも通り」と思って見過ごしている行動や様子が、実は病気のサインであることもあります。
本記事では、獣医師の視点から見逃されやすい犬の症状5つを取り上げ、それぞれに隠れている可能性のある病気や、受診の目安について解説いたします。
1. 食ムラ・偏食
「昔から食にムラがある子だから」と油断していませんか?
食欲の変化は非常に重要な健康のバロメーターです。特に、食ムラが「慢性的」に続いている場合や、一度に食べる量が減っている、体重が落ちているといった変化がある場合は注意が必要です。
隠れているかもしれない病気
- 慢性腸症(食物反応性、抗菌薬反応性、免疫介在性など)
- 腫瘍性疾患
- 口腔内疾患(歯周病など)
受診の目安
- 匂いは嗅ぐけど食べようとしない
- 間欠的に下痢や嘔吐が見られる
- 痩せてきた、毛艶が悪い
詳しいコラム記事はこちら↓↓
2. 寝てばかりいる・動きたがらない
「シニアだから寝る時間が増えただけ」と思い込んでいませんか?
年齢とともに活動量が減るのは自然なことですが散歩の距離が減った・遊びたがらなくなったなどの変化は要注意。特に、疲れやすい・呼吸が浅いといった様子があれば、内科的な疾患の可能性もあります。
隠れているかもしれない病気
- 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症、心筋症など)
- 甲状腺機能低下症
- 慢性疼痛(関節炎、椎間板疾患 など)
受診の目安
- 散歩を嫌がるようになった
- 寝ていても浅い呼吸をしている
- 階段を嫌がる、ジャンプしない
詳しいコラム記事はこちら↓↓
3. 散歩中のスピード低下・拒否
「今日は気分じゃないのかな」で済ませていませんか?
散歩は犬にとって日課であり、体調のバロメーターでもあります。歩くペースが遅くなった、途中で止まる、帰りたがるなどの行動は、筋骨格系だけでなく、心臓や肺などの臓器の不調を示すことがあります。
隠れているかもしれない病気
- 関節疾患(変形性関節症、膝蓋骨脱臼など)
- 心疾患、呼吸器疾患
- 筋疾患(多発筋炎など)
受診の目安
- 散歩後にぐったりする
- 散歩中に咳が出る
- 階段の上り下りを躊躇するようになった。
4. 水をたくさん飲む・おしっこの量が増える
「暑いから」「散歩後だから」と軽く見ていませんか?
水分摂取量の増加(多飲)や排尿回数・量の増加(多尿)は、内分泌系や腎臓に関連する病気の初期サインであることがよくあります。これらの変化は徐々に進行するため見逃されやすい傾向にあります。
隠れているかもしれない病気
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
受診の目安
- 明らかに飲水量が増えた(体重1kgあたり100mL以上/日)
- 尿の1回量が増えた。
- 尿の色が薄くなった。
5. 体をなめる・かじる
「クセ」「暇つぶし」と見逃されがちですが…
同じ場所を頻繁になめる、噛む、こするといった行動が続いている場合、それは「痒み」や「痛み」のサインかもしれません。表面からは見えにくい皮膚疾患や、関節の痛みが隠れているケースもあります。
隠れているかもしれない病気
- 皮膚炎(アレルギー、感染症、寄生虫 など)
- 関節炎、神経痛
- ストレス性の常同行動
受診の目安
- 同じ場所を集中的になめる
- 脱毛、赤み、変色がある
- なめることで眠れない様子がある
詳しいコラム記事はこちら↓↓
日頃の「なんとなく変」に気づく力が、愛犬を守ります
私たち獣医師が診療でよく聞くのは、「なんとなくいつもと違うと思ったんです」という飼い主様の直感。これは実は非常に重要です。日々の様子を観察している飼い主様だからこそ気づける、微細な変化があります。
以下のような変化が見られた場合は、早めに動物病院での診察をご検討ください。
- 食欲や行動に微妙な変化がある
- 明らかに元気がない
- 見た目は元気でも、どこか気になる
まとめ
犬の病気は、日常の中に紛れているサインから始まることが少なくありません。「昔からこうだから」と見過ごさず、小さな違和感に目を向けることが、早期発見・早期治療につながります。
LINE友だち追加で診察予約・最新情報がチェックできます!!

茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお困りの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。