犬の歯周病が腎臓病の原因に?見落とせない口腔ケアの重要性

はじめに

「うちの子、最近なんだかお水をよく飲む…?」そんなとき、心配になるのが「腎臓病」。でも実は、その腎臓病とお口の中の「歯周病」が関係していることをご存じでしょうか?今回は、歯周病と腎臓病の意外なつながりについて解説します。

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犬の歯周病とは

歯周病は、歯ぐき(歯肉)や歯を支える組織が細菌感染により破壊される病気です。3歳以上の犬の80%以上が罹患しているといわれ、放置すると歯が抜けるだけでなく、全身の健康にも影響を与えます。


歯周病が腎臓に与える影響とは?

1. 歯周病菌が血液に入り全身へ

歯周病によって傷んだ歯ぐきの血管から、細菌やその毒素が血液中に入り、全身の臓器へ運ばれます。腎臓は血液をろ過する働きを持つため、流れてきた細菌や炎症物質に直接さらされるのです。

2. 慢性的な炎症が腎臓を疲弊させる

歯周病が長期間続くと、体内で慢性的な炎症反応が起こります。これにより腎臓の細胞がダメージを受け、腎機能が徐々に低下するリスクが高まります。

3. 研究で明らかになってきた“歯と腎臓”の関係

近年の研究では、歯周病の犬で血中の腎機能マーカー(クレアチニンやSDMAなど)が悪化する傾向が示されています。特に中高齢犬でこの影響が強いとされ、歯周病が慢性腎臓病(CKD)の発症リスクを高める可能性が指摘されています。


歯周病が関連する腎臓の病気

  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 糸球体腎炎(歯周病菌による免疫複合体型の炎症)
  • 腎不全(進行したCKDの末期状態)

飼い主さんができる「お口と腎臓」の健康管理法

1. 毎日の歯みがきを習慣に

犬用歯ブラシや歯磨きシートを使い、少しずつ慣らしましょう。これが最も効果的な予防法です。

2. 歯周病の早期発見・早期治療

口臭、歯ぐきの腫れ、出血、よだれの増加は歯周病のサイン。気づいたら早めに獣医師の診察を。

3. シニア犬は定期的な腎臓チェックを

特に7歳以上のシニア犬は、血液検査や尿検査での腎機能チェックも並行して行うと安心です。

4. 歯科処置と腎臓管理はセットで考える

歯石除去処置(スケーリング)前後は腎臓に負担がかからないよう、輸液などのケアが必要な場合も。かかりつけ獣医と相談を。


まとめ

犬の歯周病は、腎臓病のリスク要因にもなることが明らかになってきています。「お口のケア=全身の健康ケア」という意識を持つことが、愛犬の健康寿命を延ばすポイントです。歯みがき習慣と定期健診を続け、いつまでも元気でいてもらいましょう。

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