犬や猫のうんちで健康チェック|色・硬さ・下痢のタイプでわかること

犬や猫のうんちは、毎日確認できる「体からの健康通信簿」です。
色や硬さに加え、下痢のときには便の量や回数を観察することで、病気につながる「悪い便」かどうかをある程度見分けることができます。
この記事では、便の 「色」・「硬さ」・「下痢のタイプ(便量・頻度)」 を組み合わせた健康チェックのポイントを解説します。
便の硬さでわかること
- 硬い(コロコロ便):脱水や便秘のサイン
- 正常(バナナ状):理想的な健康便
- 軟便(形はあるが崩れる):腸内環境の乱れや軽い消化不良
- 下痢:便量・排便回数を確認し、「小腸性」か「大腸性」かに分類
下痢のタイプ
小腸性下痢
- 1回の便量:増加〜普段と同じ
- 便の性状:軟便〜泥状
- 便の回数:普段と同じくらい
- 原因は多岐にわたり、精密検査が必要になることも
大腸性下痢
- 1回の便量:普通〜少なめで、徐々に減少することも
- 排便回数:増加しやすく、「しぶり(便は出ないが踏ん張る)」が見られることも
- 便に粘液や鮮血が混ざる場合がある
- 色によって治療の方向性(対症療法・経過観察・精査の必要性)が異なる
大腸性下痢は自然に改善することも多く、対症療法や自宅での管理で治るケースが少なくありません。
一方、小腸性下痢は慢性腸症や消化管以外の病気など原因が様々あり、対症療法だけでは改善しにくく、長引きやすい傾向があります。
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便の色でわかること
- 茶色:正常。胆汁代謝が正常に働いている
- 黄色:腸通過が早い、腸内細菌叢の改善時(腸内環境が酸性化)、小腸での消化不良の可能性など様々
- 緑色:胆汁代謝異常や腸内細菌叢の乱れ(特に胆汁酸代謝に関与する細菌の減少)
- 淡〜灰色:胆汁が混ざらない危険なサイン。胆道疾患や膵疾患の可能性
- 赤色:大腸からの出血
- 黒色:上部消化管からの出血(タール便)。ただし硬い便では脱水により茶色が濃く見えることもある
色 × 硬さ × 下痢タイプの目安
上記の点を踏まえて、色と硬さ、下痢のタイプを組み合わせて表にしてみました。
一度きりの便の変化は食事や一時的な腸内環境の影響かもしれませんが、数日以上続く場合や、元気の低下・食欲不振・体重減少・嘔吐などの症状を伴う場合は、早めに動物病院での診察を受けましょう。

まとめ
- 正常便の基準は「茶色+バナナ状+普段通りの回数」
- 小腸性下痢はどの色であっても注意が必要
- 黄色便は消化不良や腸内細菌叢の改善化(酸性化)など良くも悪くも様々な原因あり
- 緑色便は胆汁代謝の異常や腸内細菌叢の悪化(ディスバイオシス)を示唆
- 淡〜灰色便は胆道・膵臓疾患の可能性が考えられる
- 赤や黒の便は消化管出血のサイン
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