血液検査が正常でも安心できない?画像検査でしか見つからない犬猫の病気とは
「健康診断で血液検査は問題ありませんでした」
この言葉を聞いて、ホッとした経験のある飼い主様は多いのではないでしょうか?
血液検査はとても大切な検査ですが、実は血液検査だけでは見つからない病気も数多く存在します。
特に、犬や猫では症状が出にくい病気や、臓器の形や動きに異常が出るタイプの病気が少なくありません。
そうした病気を見つけるために重要なのが、レントゲン検査や超音波検査といった「画像検査」です。
今回は、画像検査でしか見つからない、あるいは画像検査が診断に非常に重要な病気を中心に解説します。
なぜ血液検査だけでは不十分なの?
血液検査では、
- 炎症の有無
- 肝臓・腎臓などの臓器の機能性
- 貧血や感染の兆候
などを数値として評価できます。
一方で、
- 臓器の大きさや形
- 腫瘤(しこり)の有無
- 液体の貯留
- 圧迫や閉塞
- 心臓や肺の動き
といった「構造的な異常」は、血液検査では基本的に分かりません。
特に、臓器の形や大きさが変わり始めたばかりの初期段階では、血液検査が正常なことも珍しくありません。
こうした変化を確認できるのが、レントゲン検査や超音波検査などの画像検査です。
画像検査でしか見つからない代表的な病気
心臓病
犬猫の心臓病は、初期には血液検査がほぼ正常なことが多い病気です。
- 心臓が大きくなっていないか
- 血液の流れに異常がないか
- 心臓の動きが弱くなっていないか
これらは、レントゲン検査や心エコー検査でしか評価できません。
心臓病は、
症状が出た時点でかなり進行していることも多いため、
画像検査による早期発見がとても重要です。
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腫瘍(がん):リンパ節・脾臓・肝臓など
腫瘍(がん)も、血液検査が正常なまま進行することがある病気です。
- 脾臓の腫瘍
- 肝臓の腫瘍
- 腹腔内リンパ節の腫大
これらは超音波検査で偶然見つかるケースも少なくありません。
特に脾臓の腫瘍は、
破裂すると突然の出血で命に関わる状態になることもあり、
症状が出る前の発見が非常に重要です。
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結石(尿路結石)
尿路結石は、血液検査ではまず分からない病気です。
- 腎結石
- 尿管結石
- 膀胱結石
特に尿管結石は、
放置すると尿管閉塞 → 腎不全を引き起こすリスクがあります。
レントゲン検査や超音波検査を行うことで、症状が出る前に発見できる場合もあります。
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貯留液(腹水・胸水)
腹水や胸水は、見つかった時点で「要注意」な状態です。
- 心臓病
- 悪性腫瘍
- 重度の肝疾患
- 炎症や感染症
- 低アルブミン血症
など、重大な病気が背景にあることがほとんどです。
貯留液の存在は血液検査ではまず分からず、画像検査で初めて発見されます。
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呼吸器疾患
呼吸器の病気も、画像検査が非常に重要です。
- 肺炎
- 肺腫瘍
- 気管虚脱
- 肺水腫
咳や呼吸の異常が軽い段階では、
血液検査が正常なことも珍しくありません。
レントゲン検査によって、
肺や気管の異常を直接確認することができます。
そのほか画像検査で見つかる病気
- 胆嚢疾患(胆泥症・胆嚢粘液嚢腫)
- 腎臓の形態異常や嚢胞
- 消化管の腫瘍・異物
- 膵炎の可能性
- ホルモン性疾患(クッシング症候群の可能性など)
- 前立腺疾患(未去勢の雄犬)
数値に異常が出にくい病気ほど、画像検査が重要という特徴があります。
健康診断は「やっているか」より「中身」が大切
動物病院で行われている健康診断は、
病院ごとに内容が大きく異なります。
- 血液検査のみ
- 血液検査+レントゲン検査
- 血液検査+超音波検査
同じ「健康診断」という名前でも、
見つけられる病気の範囲はまったく違います。
「毎年健診を受けているから安心」ではなく、
どんな検査が含まれているかを、ぜひ一度確認してみてください。
大切な家族の健康を守るために、
血液検査と画像検査を組み合わせた健康診断という視点を、ぜひ覚えておいてください。
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