下痢をした時に病院へ連れて行くタイミング

はじめに

季節の変わり目や天候の変化などお腹を壊す事が多々あるかもしれません。

そんな時に動物病院に行くべきか迷う事があると思います。

もちろん、心配だと思うので病院へ行く事をお勧めしますが、そんな中でもセルフチェックである程度基準があった方が助かりますよね?

今日はそんな下痢のお話をしたいと思います。

1、下痢以外の症状がある時

下痢は様々な原因から引き起こされます。単純に胃腸の問題で起こる事もあれば、腎臓病や肝臓病、内分泌系の病気から循環器の病気まで様々です。

元気低下や食欲不振や嘔吐など、下痢以外の症状も同時に見られる時は単純な胃腸炎でない可能性も考慮されます。

様々な病気は水面下で進行している事があるので、下痢以外の症状も伴う場合には病院へ受診しましょう。

2、元気はあるけど、初期対応に反応しない24時間以上続く下痢

元気や食欲はあるけど下痢だけするといった経験はありませんか?旅行の翌日やトリミングやペットホテルに預けた翌日など、お腹がゆるくなる事があるかと思います。

そのような時はまず、以下の対応を検討してください。

  • 12〜24時間の絶食

悪い物を全部お尻から出し切るイメージです

  • その後の少量頻回の給餌

なるべくお腹に負担をかけないようにするイメージです。変わり物ではなく普段食べている物を与えてください。胃酸を薄める目的でふやかすのもOKです。

上記の対応を1回挑戦しても、下痢が続く場合は病院へ受診しましょう。

3、鮮血混じりやタール状の下痢

赤い血が混じっている下痢は大腸からの出血が、黒いタール状の下痢は小腸や胃からの出血が考えられます。治療開始前の初期からこのような下痢が見られる場合は、腸内環境が著しく乱れている可能性が考えられるので、初期対応では反応しない可能性が高いと思われます。早めに病院へ受診しましょう。

4、元気はあるけど小腸性下痢の場合

下痢には大きく分けて「大腸性下痢」と「小腸性下痢」の2通りのタイプが存在します。

これらは症状によって特徴が異なり、根本原因の解明に役立ちます。

大腸性下痢小腸性下痢
便の回数増加変わらない
しぶりありなし
便の量徐々に減少1回量が増加
便の色様々未消化・淡色・黄色・灰色など
形状様々様々
粘膜ありなし
血液鮮血黒色

        

下痢をした時は以下の3点をよく観察するようにお願いします。

  • 便の回数:普段より増えているかどうか
  • 1回便の量:普段より多いかどうか、便をするたびに量が減ってくるかどうか
  • 便の見た目:赤い血混じり、黒色、ベトベト、水状など

大腸性下痢はストレスなど(環境の変化など)においても引き起こされるため、原因特定には至らないケースが多々ありますが、対症療法や自然に治る事が多いです。

大腸性下痢の場合はお腹を休ませて、整腸剤等の内服により4-5日で徐々に回復していきます。これは腸粘膜の再生がおおよそ4-5日要するからです。

ごく希なケースとして、お尻から血がピューピュー出る場合(瀉血便)は、敗血症や重度脱水のリスクが伴うため早急な対応が必要となります。

小腸性下痢の特徴、もしくは小腸性と大腸性が混ざるような特徴の場合は、全身検査が必要となるかもしれません。

小腸性下痢の特性を有する疾患は、長期的もしくは間欠的な下痢となる事が多く、治りづらい消化器疾患(慢性腸症など)や内分泌疾患(甲状腺機能亢進症など)・腎疾患・肝疾患などにおいてもみられます。

慢性腸症などの疾患は、その場での確定診断までは至らず、治療反応を見ながら診断を進めていく事もあります。

こういった消耗性疾患(徐々に進行していくタイプ)の場合は、見かけ上ギリギリまで元気な状態でいるケースが多いです。

同じ「元気はあるけど下痢をする」という状態ではありますが、事の重大さが大きく異なってきます。

(見かけ上)元気はあるかもしれないけど、食ムラや体重減少がみられるといった場合にも消耗性疾患の可能性があるので、気づいたら早めに病院へ受診しましょう。

まとめ

今回は下痢をした時に病院へ連れて行った方がいいタイミングについて解説させて頂きました。

藤沢、茅ヶ崎エリアで、愛犬・愛猫の消化器症状でお悩みの方は、湘南Ruana動物病院までご連絡ください。

関連記事