【猫が下痢をしたときに考えられる病気5選】すぐに受診すべきサインとは?

はじめに

猫が突然下痢をして驚いたことはありませんか?
「ちょっとお腹を壊しただけかな?」と思って様子を見る方も多いかもしれませんが、猫の下痢には重大な病気が隠れていることもあります。
この記事では、猫が下痢をしたときに考えられる代表的な5つの病気と、すぐに動物病院を受診すべきサインについてわかりやすく解説します。


猫の下痢のタイプを見極めよう

まず、便の状態からある程度の手がかりが得られます。

便の特徴考えられる事
1回便量が多く、薄い色の下痢小腸性下痢 
血が混じる・粘液状・頻回便大腸性下痢
嘔吐や食欲不振を伴う全身性疾患・中毒などの可能性

下痢で考えられる代表的な5つの病気

食事性の下痢(食事量・繊維反応性・食物不耐性・急なフード変更)

猫の消化器はとてもデリケート。突然のフード変更や人間の食べ物(乳製品・脂肪分の多いもの)を口にすると、消化不良を起こして下痢をすることがあります。また、特に若齢猫では適切な食物繊維を加える事で改善する場合があります(繊維反応性下痢)。中高齢の場合は、食物に過敏反応する食事反応性腸症もあります。

  • 【対処法】消化器にやさしいフード(繊維食・加水分解食など)へ切り替え、食事管理を見直しましょう。

感染症(ウイルス・細菌・寄生虫)

● 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス)

特に子猫で重篤化する感染症。水様性の下痢・嘔吐・ぐったりしているなどの症状があり、早期の治療が必要です。ワクチンで予防可能。

● ジアルジア感染症(寄生虫)

ジアルジアは猫の腸に寄生する原虫で、水様便や悪臭の強い粘液便、時には体重減少を引き起こします。

  • 主に保護猫や多頭飼育の環境でみられ、人にも感染する可能性があるため注意が必要です。
  • 糞便検査や迅速抗原検査で診断し、抗原虫薬(フェンベンダゾールなど)で治療します。

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炎症性腸疾患(IBD)

腸の慢性的な炎症によって、下痢・嘔吐・体重減少がみられます。アレルギーや免疫の異常が関与しているとされ、長引く下痢の背景に多い疾患です。

  • 食事療法(加水分解食など)やプレプロバイオティクス・免疫抑制薬を使用することがあります。

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膵炎・肝疾患などの全身性疾患

膵炎や肝炎などの消化器以外の病気でも、腸に影響して下痢を起こすことがあります。特に嘔吐・元気消失・黄疸を伴う場合は注意が必要です。

  • 血液検査や超音波検査での診断が有効です。

腫瘍(リンパ腫など)

高齢の猫で、消化管に腫瘍ができると、慢性的な下痢や体重減少が続くことがあります。
特に「小細胞型リンパ腫」はIBDとの区別が難しく、精密検査や生検が必要になることもあります。

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こんなときは、すぐに動物病院へ!

以下のような症状があれば、早めの受診をおすすめします。

  • 下痢が 2日以上続く、繰り返す
  • 食欲がない・嘔吐もする・体重が減ってきた
  • ぐったりして動かない
  • 血便が出ている
  • 子猫や高齢猫での急な下痢
  • 他の猫にも同じ症状が出ている(感染症の可能性)

自宅でできる応急ケアと注意点

  • 水分補給をこまめに(脱水対策)
  • 一時的にフードの種類や量を調整
  • 便の状態や頻度を記録しておくと診察時に役立ちます
  • 他の猫との共用トイレや食器は清潔に!

まとめ:下痢は体調不良の「サイン」。見逃さないで!

猫の下痢には、軽い消化不良から長期化する病気までさまざまな原因があります。

「いつもと違うな」と感じたら、なるべく早く動物病院を受診し、必要な検査や治療を受けましょう。
日常のちょっとした変化に気づくことが、愛猫の健康を守る第一歩です。

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茅ヶ崎市・藤沢市エリアで犬猫の消化器症状でお困りの際は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。