柴犬に多い病気5選|元気な毎日のために知っておきたいポイント
柴犬は、しっかり者で自立心が強く、家族に忠実な性格が魅力の日本犬です。比較的健康な犬種とされていますが、実は柴犬ならではの体質や遺伝的な傾向から、かかりやすい病気もいくつかあります。
今回は、柴犬によく見られる病気を5つピックアップし、症状や予防のヒントをまとめました。
① アトピー性皮膚炎
● どんな病気?
柴犬に非常に多い皮膚疾患で、ハウスダスト、花粉、カビなどに対してアレルギー反応を起こし、皮膚のかゆみや赤みが現れます。慢性化しやすく、若齢から症状が出ることもあります。
● 主な症状
- 体をかゆがる(特に顔、耳、足、脇など)
- 舐めたり噛んだりして毛が抜ける
- フケが多い、皮膚が赤い
- 頻繁な外耳炎
● 予防とケア
- 清潔な環境を保つ(掃除・空気清浄機など)
- 皮膚に合ったシャンプーケア
- アレルギー検査の活用
- 早期の治療と継続的なケアが大切
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② 慢性腸症(炎症性腸疾患・消化器型リンパ腫を含む)
● どんな病気?
慢性腸症(CE)は、腸に炎症が起きて長期間にわたって消化器症状が続く疾患です。柴犬はこの慢性腸症の好発犬種であり、場合によっては消化管型リンパ腫(悪性腫瘍)と鑑別が難しいケースもあります。
● 主な症状
- 慢性的な下痢・軟便
- 嘔吐の繰り返し
- 食欲不振や体重減少
- 蛋白漏出性腸症(浮腫、腹水)を伴うことも
● 予防とケア
- 症状が続く場合は早めの受診を
- 血液検査や便検査に加えて内視鏡検査や生検が診断に役立ちます
- 食事療法(加水分解食、低脂肪食など)が第一選択
- 難治性の場合はステロイドや免疫抑制剤による治療が必要になることも
慢性腸症と似た症状を示す消化器型リンパ腫(腸のがん)も柴犬で見られるため、診断・治療には慎重な対応が求められます。
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③ 分離不安症
● どんな病気?
飼い主さんと離れることで強い不安を感じ、問題行動を起こす状態です。独立心があると思われがちな柴犬ですが、実は環境の変化に敏感で繊細な面があり、ストレスを抱えやすい犬種です。
● 主な症状
- 留守番中に吠える・物を壊す
- トイレの失敗が増える
- 飼い主の外出前にそわそわする
- 過度な舐めや自傷行為
● 予防とケア
- 子犬期からの適度な社会化・自立トレーニング
- 留守番に慣れさせる練習
- フードパズルやおもちゃで気を紛らわせる
- 症状が強い場合は、行動療法や薬による治療も選択肢
④ 緑内障(りょくないしょう)
● どんな病気?
眼圧が高くなり、視神経に障害が出る病気です。柴犬は遺伝的に原発性緑内障が多い犬種で、早期発見と対応が非常に重要です。
● 主な症状
- 目が赤い、にごって見える
- 瞳孔が開いたまま
- 光に反応しない
- 物にぶつかる、歩き方がぎこちない
● 予防とケア
- 目の異変に気づいたらすぐに動物病院へ
- 視力に異常が出る前の早期治療がカギ
- 遺伝的リスクがあるため、定期的な眼科チェックが有効
⑤ 自己免疫性疾患(自己免疫介在性溶血性貧血など)
● どんな病気?
免疫の仕組みが誤作動を起こし、自分の赤血球を壊してしまう病気です。柴犬はこのような自己免疫疾患の好発犬種の一つとされています。
● 主な症状
- 元気がない、すぐ疲れる
- 粘膜(舌や歯ぐき)が白っぽい、黄色い
- 食欲低下
- 発熱
● 予防とケア
- 原因が不明なことも多く、早期発見が重要
- 血液検査での確認が必要
- 治療は免疫抑制剤やステロイドが中心
- 長期管理が必要なケースもあり、かかりつけ医との連携が大切
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まとめ:柴犬の体質に合ったケアを
柴犬は賢くてタフな犬種ではありますが、皮膚・消化器・目・免疫系・精神面などに特有のリスクを抱えています。
「ちょっとした下痢だから」「よく吐くのは癖かも」と見過ごしてしまいがちな症状の裏に、重大な病気が隠れていることもあります。
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当院では柴犬に多い病気についても、経験を活かした丁寧な診療を行っております。茅ヶ崎市・藤沢市エリアで病気の予防関連でお悩みの方は湘南ルアナ動物病院(湘南Ruana動物病院)までお気軽にご相談ください。